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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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 病院側にはすでに里中先生から話がつけられていて、塩田さんは個人病室に運ばれていた。
 私は受付で病室を聞いてそこへ向かった。

 入口の前で里中先生が待っていてくれた。
「ごめんなさいね妹さん、手伝って貰って……」
「いえ、それより早くしましょう」
 私は里中先生に招かれるように病室に入った。
 塵1つ落ちて無い綺麗な部屋の中にベットがあり、そのベットでは病衣に着替えさせられた塩田さんが左腕に点滴を射たれながら死んだように眠っていた。
 そのベットのすぐ側に置いてあるパイプ椅子には三葉さんが座っていて、足元には小さなスチール製のトランクケースが置かれ、アイパットに当てた人差し指を物凄い早さで動かしていた。
 まさに目にもとまらぬって奴だ。
「よし、準備完了、何時でも良いぜ」
 三葉さんは言った。
 でも私には2つ気になる事があった。
 その内の1つはどうやって夢の中に入るかだった。
 サイコ・ダイブは言葉から察するに超能力の一種だろう、でも私は超能力を使えない。
 すると三葉さんが一度立ち上がると足元のトランクを持ち上げて椅子の上に置きケースを開けた。
 そこに入っていたのは赤と青の2色の機械のヘッドギアが収まっていた。
 それを抜き取るとその内の青い方を私に手渡した。
「それはオレ様が開発した『ドリーム・エンター』って奴で…… まぁ、簡単に言えば夢の中には入れる装置って奴だな」
 私に説明しながら三葉さんはもう1つの、赤い方のドリーム・エンターを塩田さんに装着させた。
 私も言われるがままにドリーム・エンターを装着する。
 すると里中先生が言って来た。
「妹さん、貴女は睡眠には2種類あるって知ってる?」
「はい、レム睡眠とノンレム睡眠ですよね?」
 私は頷いた。
 レム睡眠とは浅い眠り、ノンレム睡眠と言うのは深い眠りの事を言う。
 レム睡眠は人間が夢を見ている状態の事を言う、人間は眠ると脳波が一度ノンレム睡眠まで低下し、さらに時間をかけてレム睡眠状態まで浮上して目が覚める5分から10分までの間に夢を見ていると言う。
 一方ノンレム睡眠でも夢は見ているのだけど、こちらの場合は眠りが深すぎる故に起きても曖昧で覚えていない事もある。
 本来ならノンレム睡眠とレム睡眠が90分〜100分単位で繰り返されるのだけど、塩田さんの場合はネイロス・カードの影響で強制的にレム睡眠状態にされていると言う。
 このドリーム・エンターの青い方は私の脳波を一度レム睡眠状態にし、塩田さんの脳波と同調させる事で夢の中に入る事が出来ると言う。