SAⅤIOR・AGENTⅡ
三葉さんの話しではネイロス・カードの目の部分のペイントに仕掛けがあると言う。
黒いインクの中にキュヴァスの血液を混ぜた物が塗られていると言う。
「ナトメイア星人が夢に入るには体の一部が相手に触れなきゃいけねぇ、このカードに体の一部を使う事で自分の脳波を同調させてみたい夢を見せていたって訳だ」
私は思い出した。
そう言えばあの時、ネイロス・カードを額に当てた。
そして何だか凄く恥ずかしくて悔しくなった。
何しろ人の心を除かれた挙句に操られた。プライバシーの侵害だ。
次に里中先生が会話に加わった。
『この手の事件は地球だけじゃなくて各惑星でも良くある事だから、気がついた時にはすでに遅し、逃亡した後って事よ』
『だが今回は相手が悪かったみてぇだがな』
三葉さんは目をギラつかせた。
本当にどっちが悪役なのかと思うくらいだった。
説明を一通り終えると改めて里中先生は今後の事を言って来た。
「皆、分かってると思うけど思うけど、今回の任務はキュヴァスの確保と塩田さん達を元に戻す事よ」
「けどよ、どうやってやるんだ?」
兄貴は尋ねる。
すると不破さんが言って来た。
「大丈夫だよ、ようするにカード配ってる占い所にキュヴァスがいるんでしょ? とっ捕まえりゃ良いだけじゃん」
「これから向かう所だ」
「おっし、じゃあまずは塩田ちゃんを治して……」
兄貴が気を引き締めた時だった。
『いや、タクミ君達はキュヴァスを検挙して、塩田さんの方は何とかするから…… 代わりに妹さんを貸してほしいの』
「えっ?」
「ちょっと待てよ、何で舞が?」
『今回は妹さんの力が必要なのよ』
里中先生は言った。
作品名:SAⅤIOR・AGENTⅡ 作家名:kazuyuki