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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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 あそこじゃ人目も付くので話もできない。
 私達はホテルから少し離れた場所にある大型駐車場にやって来た。
 今この時間帯は駐車してある車の数は多いけど人通りが少なかった。話し合うには丁度良い。
 そして私と兄貴はギルを通して里中先生から説明を聞いた。
 すると今回事件を起こしていたのはとんでもない異星人犯罪者だった。
『犯人はナトメイア星人、キュヴァス・ムーア。全宇宙指名手配犯よ』
「ナトメイア星人? それって確か……」
 兄貴は眉間に皺を寄せた。
『ナトメイア星人は夢の中に入り込んで悪夢やストレスを結晶化して抜き取ると言うメンタル治療『夢治療』と言うのを行ってるの…… でも一歩間違えると相手の精神を破壊しかねないから宇宙平和条約で禁止されてるんだけど…… 中にはそれを守らないナトメイア星人もいるの』
「奴もその内の1人って訳か……」
『それだけじゃないわ、キュヴァスは相手の精神の…… しかも人間の最も美しい記憶を結晶化して強奪しているわ』
「強奪って…… 具体的にはどうやるんだ?」
『その方法はナトメイア星人によって様々だけど、キュヴァスは相手に口づけをする事で結晶化が可能らしいわ』
「く、口づけ?」
「何それ、サイテーっ!」
 不破さんは目を吊り上げた。
 私も同じ女だから、気持が分かる、しかも塩田さんは……
 私は里中先生に質問する。
「記憶を抜き取られた人間はどうなるんですか?」
『例え記憶を抜かれても死ぬ事は無いわ……ただしその人は永遠に眠り続ける事になるの、夢とは所謂人の精神の集合体、所謂意識の核のような物だから』
「どっちにしろ死んでるみてぇなモンじゃねぇかよ!」
 兄貴は言う。
 確かに心臓と脳が動いて呼吸してるだけなんて、そんなの意味が無い……
 誰だってこの現実の世界で笑ったり泣いたりして生きる権利がある、それを奪う権利は誰にも無い。
 キュヴァスのやってる事は人殺しと同じだ。