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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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 それから数日後の2月に入って直ぐの頃だった。
 中間テストが終わり、私はいつも通りの成績だったけど、兄貴は相変わらず赤点ギリギリだった。
 それでも兄貴はまるで気にせずケラケラ笑っていた。本当に落第しても知らないんだから…… ったく。
 そんなある日、体育の授業が終わって着替えを終え、教室に帰る途中だった。
 体育館でバスケをやってた私とグラウンドでサッカーをやってた兄貴と合流し、肩を並べて歩いていた。
「あぁ〜、腹減った〜」
「まだ3限目よ、次は数学があるじゃない」
「があぁ、よりによって苦手な奴を……」
 体育以外得意な授業があるのか?
 苦悶しながら両手で頭を掻き毟る兄貴に私はそう思った。
 するとその時だった。
 前から見慣れた女子生徒が歩いて来た。
 その人に向かって私は手を挙げた。
「塩田さ……」
 そう言いかけたその時、私は言葉を失い目を丸くした。
 なぜなら塩田さんは鞄を肩から下げ、フラフラになりなっていたからだ。
「塩田さんっ!」
 私達は塩田さんに駆け寄った。
 塩田さんの顔を見ると彼女がとても尋常な状態じゃ無い事に気がついた。
 塩田さんはどちらかと言うと色白な肌だけど、そんなの通り越して真っ青になり、目の下に隈が出来ていた。
 そして紫色に変色した唇が開くと掠れた声で私に言って来た。。
「……あ、白金…… さん?」
「ちょ、どうしたんですか? 具合でも悪いんですか?」
「……いえ……ちょっと、うっ……」
 塩田さんの肩がグラつくとその場に膝をついた。
「塩田さんっ!」
「おい!」
 兄貴も心配しながら叫んだ。
 周囲の人も何事かと私達を見ていた。