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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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 私は目を覚ました。
「はぁ!」
 両肩を大きく上下させながら周りを見る、私の部屋だ。
 窓の外はまだ暗い、ベットの横にあるスマホで時計を見るとまだ明け方前だった。
 汗だくになった額を拭うと大きく息を吸って深呼吸をした。
「ゆ、夢? ……あっ!」
 私は枕の下のネイロス・カードを手に取った。
「こいつが原因かぁぁ〜〜〜……」
 私はネイロス・カードを握りつぶした。
 
 私は憂鬱のまま登校した。
 登校して間もなく、松井さんが私に聞いて来た。
「ね〜ね〜、どうだった? 良い夢見れた?」
 最悪…… としか言いようがなかった。
 けど私はそれを言う事が出来ない。
「え、ええ、まぁ…… ね」
 私は苦笑しながら頷いた。
 すると松井さんは私に言った。
「良かったわね、その夢はいずれ現実になるわよ」
 なって欲しく無い…… って言うか絶対嫌だ。
 夢だったらもっと殴り飛ばしとけば良かったと思った。
 この世に生まれて16年の人生の中で最低最悪の夢だった。

 HRが終わり、1限目が終わると私は塩田さんの様子を見に向かった。
 考えてみれば昨日は塩田さんの為に占い屋に行ったんだ。
 するとナイス・タイミング、次は移動教室なんだろう、5組から塩田さんが出て来るのを見た。
「塩田さん」
 私は塩田さんを呼び止めた。
 すると塩田さんが私に振り向いた。
「白金さん、おはようございます、何か用ですか?」
「あ、いえ、用って事じゃないんですけど……」
 私は塩田さんの顔を見た。
 見た感じ昨日までとはまるで別人…… と言うか元に戻ったみたいだった。
 不思議そうに首を傾げる塩田さんに私は尋ねる。
「塩田さん、今日は忘れ物とかしてませんか?」
「ああ、大丈夫ですよ、今日は問題ありません…… ここ数日、本当にすみませんでした」
 塩田さんは一礼するとまるでスキップするように軽い足取りで鼻歌交じりに去って行った。
 私はその後姿を見ながらしばらく茫然としていた。