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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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 その夜。
 寝巻に着替えた私はベットに腰を降ろすと右手に持ったネイロス・カードを見た。
 未だに信じられなかった。
 誰だって思い通りに動けば嬉しいのは間違いない…… だけどこんな簡単に願いって叶うもんなんだろうか?
 夢で見た物がそっくりそのまま現実になるなんて、にわかに信じられなかった。
 それでも約束は約束だ。私はネイロス・カードを一度額に当て、枕の下に入れると布団を被って目を閉じた。

 気がつくと私は教室の自分の席に座っていた。
「……えっ?」
 私は立ち上がる。
 教室の中には誰もいない、立ち上がって窓の外を見ても誰1人校庭にはいない…… 正真正銘私1人だけだった。
 何でこんな事になったんだろう…… 私は頭に手を当てて考えた。
「えっと、確か……」
 私は何とか思い出そうとする、そんな時だった。
 扉が音を立てて開くと1人の男が入って来た。
「よう、舞」
「兄さん?」
 誰もいないのに兄貴がいた。
「兄さん、大変! 誰もいないの」
「そんな事どうだっていいだろ、ほおって置けよ」
「どうでも良いって…… 気にならないの?」
「別に、それがどうしたって言うんだよ? それより折角2人きりに生れたんだから、一緒に遊ぼうぜ」
 私は顔を顰めた。
 両手を広げながらアプローチして来る兄貴はどこかおかしかった。
 そりゃ兄貴は何時だっておかしい…… だけど友達は沢山いる、幾らシスコンで私を優先しているからってそんな事言うか?
 それにこの兄貴はどこか恐かった。
「どうした? オレ…… どこか変か?」
「………」
 やっぱり違う、おかしいなんてレベルじゃない。
 そんな兄貴が近付くにつれて私は身を震わせながら後ろに下がった。
 やがて窓際まで追い込まれて逃げ道が無くなる、兄貴は手を伸ばすと私の頬に触れた。
「ひっ!」
「愛してるぞ、舞」
 兄貴はあろう事か顔を近づけて来た。
 その行為に私は泣きそうになりながら強く目を閉じると思い切り叫んだ。
「いっ、いやぁああああ―――っ!!」
 私は兄貴を引きはがすと右手を握りしめ、渾身の力を込めてバカ面を殴り飛ばした。
「へぶしっ!」
 兄貴は思い切り吹き飛ばされて床に転がった。