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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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 それから直ぐ塩田さんは発見された。
 発見したのは大神さん、駆け付けた時は冴子編集長が倒れていて、車の中では塩田さんが静かに眠っていたらしい。
 塩田さんは保護、冴子編集長はゼルベリオスに護送されて事件は幕を閉じた。

 その翌日。
 セイヴァー・ベースで皆集まり、スマートフォンのニュースを見ていた。
 そこには佐伯さんの事が新聞に出ていた。
「有名ファッション誌カメラマンの知られざる実態、編集長は行方不明」
 新聞の記事に書かれていた記事を私は読みあげた。
 塩田さんは顔を暗くした。
 信じていた雑誌が実はとんでもない悪徳業者だったんだから無理も無い。
「ごめんなさい、私の責で白金さんまで危険な目に合わせてしまって……」
「気にしないでください、塩田さんだって被害者なんですから」
 私は左手を振った。
 勿論私達のモデルの事も白紙になった。 
 塩田さんも相当参ってるみたいだった。
「しかし気になる……」
 いつもの様に壁に背を持たれながらパックの牛乳のストローを咥えた大神さんが言って来た。
「俺が駆け付けた時、ルメスは気を失っていた」
「それがどうしたの?」
 不破さんは尋ねる。
「分からないのか? 別の誰かがいたそこに事になるんだぞ」
「冷静に考えて…… セイヴァー・エージェントじゃないですか?」
「いや、この辺じゃ俺達だけだ。それに探索派だって調査してる時に異星人犯罪者がいれば検挙する……」
「匂いで分からないかったのか?」
「……いや、ガソリンタンクに穴が開けられていた」
 私の向かいの三葉さんが尋ねる、でも大神さんは首を横に振った。
 駆け付けた時はガソリンがアスファルトに垂れ流しの状態になっていたらしい。
 それが塩田さんを発見できた理由だと言う。
「普通にガソリンを垂れ流しにしてるなんてありえないからな」
「そう言えば……」 
 すると塩田さんが言って来た。
「何だか懐かしい気がしました」
「懐かしい?」
「ハッキリ覚えていないんですけど、優しくて、温かい…… そんな気がしました」
「何それ?」
「さぁ…… 兄さんはどう思う?」
 私は兄貴を見た。
 兄さんは保健室の片隅で何かを見ていた。
「兄さ…… なぁあっ?」
 私は目を丸くして叫んだ。
 何と兄貴が見ていたのは私の写真だった。
 しかも私のモデルの服を着ていた時の…… セイヴァー・ブレスを装着した時の写真だった。
 私は慌てて写真を取り上げた。
「なっ、ま、舞?」
「……アンタ、いつの間にこんな写真撮ったのよ?」
「い、いや、オレの脳波がギルと繋がってるからさ…… ってか、折角の笑顔なんだから撮らなきゃ損だって……」
『す、すまん、オレは止めたんだが……』
 ギルは言う。
 ギルはサポーターだし悪くない、脳波で繋がってる以上逆らえないだろう。
 だけど兄貴は許せない、むしろ怒りがこみ上げて両肩が震えた。
 私は真剣に悩んでたのに、こんなの撮られていた何て冗談じゃない…… って言うか悩んでた私がバカだった。
 そう思った瞬間、私は渾身の力を込めて写真を破り捨てた。
「ああぁぁあああぁぁ――――っ!」
 兄貴は絶叫した。
 私は破った写真を放り投げた。
「フンっ! バカ兄貴」
 私は兄貴に背を向けた。
 そして苦笑する塩田さんや呆れながらため息を零す不破さんと大神さんの元に戻ろうとしている時だった。
(あれ? そう言えば……)
 私は振り返るとアルマジロみたいに丸くなりながらうっとおしい上に気持ち悪く泣き叫ぶ兄貴を見降ろした。
 私はあの時、セイヴァー・ブレスを着けて無かった。
 つまり私の危険は兄貴には分からなかった事になる、でも兄貴は私の元に駆け付けて佐伯さんか守ってくれた。
 偶然って言えばそれまでかもしれない、だけど兄貴は私のピンチを知って本当に駆け付けた様だった。
 でも今の兄貴の姿からはまるで想像できなかった。
「まさか…… ね」
 私は首を傾げた。