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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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 街中を白い乗用車が走っていた。
 運転しているのはルメス、後部座席には恵が眠っていた。
「チッ、適合できる皮膚がようやく見つかったと思ったら…… 急いで手術をしてもらわないと」
 バック・ミラーを覗きこんだ時だった。
 目の前の歩道から1人の男が飛び出した。
「なっ!」
 慌ててルメスはブレーキを踏むと道路が激しく擦れて車が停止した。
「何だってのよ、この忙しい時に!」
 ルメスは目を吊り上げて舌打ちをした。
 誘拐した以上一刻も早く逃げなければならない、こんな所で時間を食っている場合では無かった。
 ドアから出ると男に向かって怒鳴りつけた。
「ちょっと、何なのよ! そこをどいてよ!」
 だが男はそこを退く気は無かった。
 それどころかルメスに向かって鋭い目を向けると右手を向けて開いた。
 途端ルメスは金縛りにあったかのように動かなくなった。
「うあっ?」
 ルメスは体に力を入れるがビクともしない。
 男は右手を少し引いて突き出すとルメスは吹き飛ばされた。
「があああっ!」
 ルメスは道路に転がると気を失って動かなくなった。
 男は車に近づき、後部座席のドアを開いて眠っている恵を見た。