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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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「う……」
 私は目を覚ました。
 頭がボーッとする、意識がはっきりしない……
 それでも体を動かそうとするが、私の体が思うように動かなかった。
「んぐっ?」
 私は今の姿を確認した。
 両手が頭の上で交差させられてロープが巻かれ、両足首も同じように縛られていた。
 口も感触からしてガムテープでも張られているんだろう声が出せなかった。
 すると私の目の前で背中を向けながら作業をしていた佐伯さんの手が止まった。
「ん? 何だ。もう目が覚めたのか…… もう少し寝てれば楽にすんだのにな」
 佐伯さんはそう言いながら振り向いた。
 佐伯さんの目が細くて表情が冷たい…… さっきまでモデルの子達と接して来た明るくて優しい人のカメラマンのイメージが無くなっていた。
「ひっ!」
 私は背筋が寒くなった。
 そして彼が少し動くとそこには1つの機械が置かれていた。
「これ、良いだろ。銃みたいだけどカメラなんだ。本当は女の子を縛ったまま撮影する趣味は無いんだけど…… 目覚めた以上暴れられたりしたら厄介だからこのまま撮影するよ」
 佐伯さんは説明して来る。
 黒い銃身、銃口に当たる部分がカメラのフレーム、スコープがファインダー、引き金がシャッターになるんだろう、グリップ部分にコードが繋がって近くのダンボールの上に置いてあるノートパソコンと繋がっていた。
「君はこれからコレクションになって貰うよ、彼女達と一緒にね」
 そう言いながらノート・パソコンのキーボードを弾くと画面に無数の小さなフレームが現れ、その中で女の子達が泣いていた。
 私は彼女達に見覚えがある、行方不明になった女の子達だった。
(それじゃ、佐伯さんが?)
「本当は塩田さんも欲しかったんだけど、あの人に取られてしまってね…… まぁ、こいつをくれた借りがあるからしょうがないけどね」
 佐伯さんはそう言いながらカメラのスコープ部分を私に向けた。
「んんっ! んんん! んんんっ!」
 私は恐怖のあまり目に涙が浮かび、首を左右に振ると髪が乱れた。
 今私はセイヴァー・ギアを着けて無い、兄貴達に危険を知らせる事が出来ない、このままじゃ他の子達の二の舞だ。
(助けて、兄さんっ!)
 私は心の中で強く願った。