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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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 私達はタクシーに乗って移動していた。
 だけど地球のタクシーと違い、人工AI搭載の無人タクシーで、目的地を言えばそこまで連れて行ってくれると言う物だった。
 私とルーシーちゃんは後部座席に座って地球の事を話していた。何でも地球に行った事が無いらしくて地球の事に興味シンシンだった。
 子供ならアニメや漫画の事になんだろうけど、生憎と不破さんは別行動……ルーシーちゃんくらいの子はみんな小学校に通ってるとか、私達の普段の学校生活などを話した。 
 ちなみにこのサテラ・ベースの子供達はみんな自宅で通信教育らしい。
「さてと、着いたぞ」
 兄貴が言うとタクシーが止まった。
 
 降りるとそこには1つの建物があった。
 屋根に見た事も無い文字で書かれた大きな看板がかかった5階建のビルに多くの人々が出入りしていた。
 ここがルーシーちゃんの来たかった『地球の人形』展覧会場だった。
『わぁ〜〜』
 ルーシーちゃんの顔が明るくなった。
「ええと、会場は3階か」
 兄貴は宇宙語で書かれた垂れ幕を呼んだ。英語の成績は赤点ギリギリだってのに……
 私達はパンフレットを受け取って建物の中に入って行った。
 パンフレットには1人の異星人の写真が写っていた。
 青白い皮膚に灰色の髪のオールバック、鷲のくちばしのように長い鼻の男の人だった。 
 彼の名前はフロウ星人『ロウス・パトラー』、この展覧会の責任者だそうだ。
 会場内には……何と言うべきか、言葉にできない形状の人形が置かれていた。
 勿論地球の日本人形やフランス人形、はたまた犬や猫のぬいぐるみも展示してあった。
 私にとっては大して興味は無いけどルーシーちゃんが喜んでくれて何よりだった。
「へぇ、こりゃ予想以上だな……ん?」
「兄さん?」
 私は兄貴の見ていた方を見る。
 そこにいたのは1人の異星人だった。
 多分係の者だろう、黒いスーツとネクタイの人が緑色の皮膚の男と話をしていた。
「あの人がどうかしたの?」
「ん? ああ、ちょっと知り合いに似てるなって思ってさ……」
 兄貴が言うとその人は係の人に連れられて奥へ歩いて行った。
「あ、そうだ。ちょっと聞いて来るからルーシーちゃんといてくれるか?」
「えっ、ちょっと兄さん? ……何なのよ?」
 兄貴はそのまま会場を後にした。
 その姿を見ながら私は首を傾げた。