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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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 何のプレイだ? それとも罰ゲームか?
「ムググッ! ムグググググゥゥゥッ!」
 オレは今、ハッピネスのビルの少し離れた場所にある有料駐車場に止めてある乗用車の後部座席で両手足を縛られていた。
 何しろ千鶴ちゃんが『貴方がいたら任務に支障をきたすでしょう』って言いやがったからだ。
 しかもこのロープは『サイコ・ロープ』と言って、超能力者用の束縛ロープだった。
 ロープ自体が特殊な電磁波を出している為に超能力が使う事が出来ない…… 千鶴ちゃんがオレの為に御丁寧にサテラ・ベースから取り寄せた物だった。
 あのビルは関係者以外立ち入り禁止の為に舞達が潜入し、その隙に現在清掃業者に化けたファーラン達がビル内をくまなく探している…… サポーターに内蔵された生命反応装置を使えば楽に探す事が出来る。
 いざって時はオレの拘束も解かれる…… けど。
(知ったこっちゃねぇぇええ―――っ!)
 オレは暴れ回った。
 幾らグラビアじゃ無いとは言え舞を衆目にさらすなんざ耐えられねぇからだ。
「タクミ君、静かにして、仕事の邪魔よ」
 運転席で千鶴ちゃんが言って来た。
「ふががごごいぐぐげんがげぇっ! ふぁいぎががぎががっががごごぐぎげぐげげんがぁっ? ぎぐぐがんげごぐぐがげげげご!」
「だから私も来たんじゃない、探索派も今は忙しいのよ」
 何で分かんだ? 
 今のは『そう言う事を言ってんじゃねぇ! 舞に何かあったらどうしてくれんだ? 千鶴ちゃんだってゆるさねぇぞ!』だ。
 オレは何も言えなくなった。
 すると千鶴ちゃんがファーラン達に連絡を入れた。
「皆、現状を報告して」
 オレの耳に神経を集中させてファーラン達との会話を聞いた。
『ダメダメ、全然サポーターに反応ないよ!』
 ファーランの情けない声が聞こえた。
 サポーターがサボる訳が無い、って事はすでにビルからいなくなってる事になる…… でもどうやって?
『きっと犯人超能力者か何だよ、瞬間移動させられたんだよ!』
「かもしれないわね、もう一度関係者の経歴を洗ってみるわ…… 貴女達はもう少し調べてみて」
『了解』
 ファーランとの会話が途切れた。
「はぁ、仕方ないわね、向こうもゴタついてるってのに……」
 千鶴ちゃんはため息を零した。
 千鶴ちゃんが言う『向う』って言うのは探索派の事だ。
「あ、私です。大至急調べて欲しい事があるんですが…… はい、では彼にお願いします」
(彼?)
 オレは眉間に皺を寄せた。