小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

SAⅤIOR・AGENTⅡ

INDEX|61ページ/172ページ|

次のページ前のページ
 
 
 シェルター内の構造はすでに調査済み、どこに逃げるかは必然と分かる。
 やって来たのは最下層にある地下倉庫だった。
 開いたままの扉を潜るとサイモンは部屋の中を見回した。
 真っ暗で何も見えない、しかしシェルターの構造上ここに逃げ込むしか無い、あくまで出口はタクミ達がいる、鉢合わせになればタクミ達から連絡が入る。
「かくれんぼの次は鬼ごっこか? いい加減出てきやがれ」
 そう言った途端、暗闇の中に不気味な赤い光が灯った。
 さらに天井の証明が部屋を照らすと不気味な光が正体を現した。
 それは巨大な全体黒光りの塗装のマシンだった。
 人1人分入るくらいの巨大なカプセル状の胴体、その横に3本づつ縦に並んだキャノン砲、それを支える巨大な昆虫にも似た4本脚の戦闘マシンだった。
 操縦席である胴体の中にマンバがいた。
 そこにいる事は分かっているだろうがサイモンにはその姿を確認する事は出来ない、しかしマンバからはサイモンの姿が丸見えだった。
『ハハハハっ! 恐れ入ったか! 液体火薬にはこう言った使い道もあるんだ!』
 マシンの中からマンバの声が聞こえる。
 サイモンは吐き捨てながら立ち上がった。
「ハッ、ご大層なモンに乗りやがって…… ガキ大将のつもりか?」
『何とでも言え、こんな所で私は捕まる訳にはいかないんだ。だがこいつさえあればオレは逃げられる!』
「そう言って、いつも自分は安全な所にいるんだな……」
『何ぃ?』
 マンバは眉をヒクつかせた。
 サイモンはさらに続けた。
「さっきもそうだ。テメェはオレ様の始末を部下にやらせ、挙句の果てには盾にして逃げやがった。テメェは自分の手を汚すって事を知らねぇのか?」
『フン、そんな事知る物か、奴らは高い金を払って雇ってる、私の為に命を駆けるのは当たり前だ!』
「たとえそれで死んでもか?」
『ああ、そうだ。金を払ってやってるなら命をささげるのは当たり前だ。私と契約した人間の命なんかただの備品なんだよ!』
「テメェ!」
 今の言葉がサイモンの怒りに火を付けた。
 セイヴァー・アームズを持つサイモンの右手に力が入った。
 一方マンバは砲門の照準をサイモンに定めると砲口に高密度のエネルギーが集められた。
『話は終わりだ。死ねッ!』
 砲撃が轟音と供に高密度のエネルギーを放った。
 エネルギーはサイモンに命中して轟音を立て爆発する。
『今度こそ終わりだ。ハハハハ…… ハァ?』
 マンバは目を見開いた。
 爆煙の中から人影が現れた。
 サイモンは無傷だった。
 それどころか全身の金色のラインが強く発光していた。
「ありがとよ、テメェをぶっ倒すのに協力してくれてなぁ!」
『何っ?』
 マンバは顔を顰めた。
 するとサイモンが左手をパルスに手を翳した。
「パルス、行くぜ!」
『あいよ、旦那ぁ!』
 パルスが光り輝くとサイモン専用の新装備が現れた。
 それは小型の砲筒だった。
 砲口が黒く砲身部分にリング状の金色のラインが入った砲身にセイヴァー・アームズの銃口と合体させると目の前のマシンに向かって標準を定めた。
「バック・ユニット、オープンッ!」
 背中の円柱状のパーツが側面が開くと先端が3本の鉤爪の鳥の足の様になり、胴が黒いチューブのマジックハンドが飛びだし、両肩を経由して新装備の砲筒部分に接続した。
 するとマジックハンド根元が発光し、光はセイヴァー・アームズに注ぎ込まれて行った。

 サイモンのセイヴァー・ギアは相手のレーザーや熱線を吸収し、さらに倍にして蓄えておく能力を持っている。
 無論セイヴァー・アームズを通して放つ事も可能、だがいつものセイヴァー・アームズではエネルギーが強すぎてデバイスが壊れてしまう。
 だがサイモンは新装備にセイヴァー・ギアのエネルギーを注ぎ込む事でセイヴァー・アームズにかかる負担を抑え打ち出す事を可能にしたのだった。
「ぶっ飛べぇええぇぇ―――っ!」
 サイモンが引き金を引くと巨大で高密度のエネルギーが放たれた。
 エネルギー波はマシンを飲み込んだ。
『バ、バカなぁああぁぁ―――っ?』
 マシンは大爆発、そのままシェルターの壁をぶち破り、地中を突きぬけて別荘の庭に出ると空の彼方へ消えて行った。