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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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「あれ、そう言えば……」
 私は別の写真を手に取った。
「これだけ被害が大きいんですよね?」
 それは2回目に被害にあった車だった。
 この車だけは走行中に爆発した。
 その為に被害が大きく、ガードレールをはみ出して横転したらしい、しかも運転手は死亡したと言う。
「確かにこれだけ大きけりゃ運転手は即死だろうな、息があっても助かりゃしねぇ…… 可哀想に」
 兄貴は顔を顰めた。
 何しろ一度死んでいる、気持ちが分かるんだろう。
「この人、何も知らずに亡くなったんですよね?」
「そうなるわね」
 里中先生は被害者の事を説明した。
 被害者のドライバーは地球に出稼ぎに来ていた異星人。
 勤務態度も極めて真面目で性格も温厚、人の恨みを買う様な人間ではなく、怪しい人間と付き合っていたと言う形跡も無かった。
「あ〜、こりゃ完全に無差別テロで決まりだな」
「サイモン、適当すぎよ」
「だってそうだろ…… 何の為に使うかはしらねぇが、宇宙から流れて来たブツを見ず知らずの奴の車に入れて運ばせるか?」
「……正気の沙汰とは思えねぇな、今回みてぇな事が起これば簡単に足が付く」
「確かに、こう言ったのには運び屋を使う…… 危険物なら尚更だ」
「そうですよね、材料だけを別々のルートで輸入して製造して運ばせたっていうなら別ですけど…… って、あれ?」
 私は兄貴達が私の顔をジッと見つめているのに気が付いた。
「あ、あの…… 私の顔に何か?」
 私は肩をすぼめて苦笑しながら周囲を見回した。
 待つ事数秒、固まっていた兄貴達がやっと動き出した。
「そうだよマイ、その手があった!」
「えっ?」
「さすがオレの妹だ」
「な、何が?」
「チッ、俺とした事がセイヴァ―・エージェント失格だ」
「エンゼル、大至急調べて欲しい事があるの」
「え? ええ?」
 私は訳が分からなかった。
 すると三葉さんは教室を出ようとしていた。
「み、三葉さん?」
「オレ様帰るわ、仕上げが残ってるんでね」
 そう言いながら保健室を去って行った。