SAⅤIOR・AGENTⅡ
攻撃しても相手は瞬時に回復しちまう、ましてファーランは手負い、これ以上時間が掛かれば不利だ。
「はぁ……はぁ……」
ファーランは両肩を上下させる。
限界だと言う事はイッちまってるディランを除けば皆分かってる。
するとサイモンが叫んだ。
「ファーラン! 新しい武器を使え! 使い方も書いてある!」
「えっ?」
するとファーランのゴーグルに新たな武器の映像が映し出された。
するとファーランの右手に角の無い両頬に発射口が取り付けられた赤い龍の頭を模したナックルが装着された。
さらに左手の中に発動前のセイヴァー・アームズが現れた。
龍の頭には2つの窪みがあり、ファーランはその窪みにセイヴァー・アームズを龍の角の様にセットすると龍の瞳が赤く輝いた。
「α・モードっ!」
ファーランが腰を低くすると龍の顔の発射口から金色のエネルギーが噴き出すと同時にセイヴァー・ギアの発射口からもエネルギーが噴き出し、ジェット機も真っ青な起きおいで突進した。
さらに右手を突き出すと金色のエネルギーがファーランの全身を包み込み、金と赤が螺旋を描く龍となった。
「ディラン・ダイナス、逮捕だぁ―――っ!」
ファーランの渾身の一撃がディランの腹部に炸裂した。
『ギャアアァァア―――ッ!』
ディランの体が光に包まれて行き、光の粒子となって消滅、ゼルベリオスに転送された。
だがそれと同時にファーランは地面に転がった。どうやら今の蛾最後の力だったらしい。
「やっ……た……」
「ファーランっ!」
オレ達はファーランに駆け寄るとセイヴァー・ギアが強制解除されたファーランを抱き起こした。
ファーランは苦しそうに両肩を上下させた。相当無茶してたのが分かる。
「このバカたれ……」
オレは呆れて物も言えなかった。
その後駆け付けた医療派のセイヴァー・エージェントにファーランは搬送され、雑木林の火災も消化されて事件は解決した。
作品名:SAⅤIOR・AGENTⅡ 作家名:kazuyuki