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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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 それから時は流れる。
 放課後になると私は生徒会室に行った。
 来月開かれる文化祭のパンフレット作りと各クラスと部の出し物の書類申請、生徒会としても空いている教室でバザーをやる予定なので、集められたリストに目を通した。
 そして数時間後、時計が6時を回りそうだったので切りあげる事になった。
「お疲れさまでーす」
 私は鞄を持って昇降口に向かった。
 靴を履き替えて帰ろうとした時だった。
「あれ、舞」
 振り返るとそこに兄貴がいた。
「兄さん、帰って無かったの?」
「ああ、今日はバスケ部の練習に付き合ってたんだよ」
 兄貴はセイヴァー・エージェントの仕事が無い時は運動系の部活の助っ人を補っている。
「お前こそ、今日は遅かったな」
「ああ、今度の文化祭の事でね……兄さんもその日だけは退屈ね」
「そんな事はねぇさ、文化祭はお前と見舞われるだろ」
「無理よ、文化祭の実行委員なんだから」
「良いだろ別に、水城先輩なら言えば分かってくれるって」
 兄貴は馴れ馴れしく私の右肩に手を回した。
 私は兄貴の甲の皮をつまんで捻りあげた。
「痛ててて!」
「調子に乗ってんじゃないの!」
 手を払って私は校舎を出た。
「ちょっと待て、待ってくれって!」
「何よ、ふざけてるなら帰るわよ」
「そうじゃ無い、今度の休みに遊びに行こうって誘ったんだよ」
「えっ? どこに?」
「月……千鶴ちゃんが休んで良いってさ」
 兄貴の話じゃ異星人関係の事件が一段落したので里中先生が特別休暇をくれたと言う。
 事件が無ければ基本休日みたいな物なのだが、それでも全員一度と言う訳にも行かず交代で休める事になったらしい。
「と言う訳だ。お前も次の週末は生徒会の仕事無いんだろ?」
「何で知ってんのよ?」
 私は疑問だった。
 でも月に行くなら私も反対はしない、何しろまた行きたかったからだ。

 週末。
 私は身支度を整えると兄貴達が住んでいるマンションにやって来た。
 私達の学校から歩いて10分ほどの所にある高級マンションに兄貴達が住んでいて、地下には三葉さんが作った(無許可で)セイヴァー・エージェントの基地がある。
 入口では兄貴が待っていた。
「お〜い、こっちだ」
 兄貴は手を振っていた。
 しかし1番気になったのが休日だってのに制服だったと言う所だ。
 何でも兄貴達の着ている服はゼルベリオスの科学が作り出した特別な繊維で出来ていて、見た目に反して鋼鉄の50倍の強度を誇り、さらに相棒であるサポーターと繋がっていて、その惑星の生物の衣服をトレースし、それに合わせて形状を変化させていると言う。
「さてと、そろそろ行こうぜ、時間がもったいない」
 兄貴はマンションの中に入って行った。
 私も続いて中に入るとエレベーターの中に入って扉を閉めると兄貴は首から下げているペンダントに触れた。
 これらはセイヴァー・エージェントを支えてくれるサポーターだった。
 サポーターとはゼルベリオスで造られた人工生命体で、セイヴァー・エージェントになった者達に与えられる。
 兄貴のは2年前、宇宙に行く時に私が渡したお守りのペンダントを作り直して貰った物だった。
「頼むぜ、相棒」
『任せろ』
 兄貴のサポーター『ギル』が言う。
 するとエレベーター内を眩しい光が包み込んだ。
 光が消えるとエレベーター内には何の変化も無かった。
 しかし扉が開くとそこは別の世界が広がっていた。