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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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 しばらく時間が流れて昼休みになった。
 私は昼食をぶら下げて保健室にやって来た。
「失礼します」
 私は扉を開けた。
 すると中にいたのは保険医の里中千鶴先生と3人の生徒だった。
「あら、妹さんいらっしゃい」
 ウェーブのかかったロングヘアに眼鏡をかけ、同姓でも綺麗だと思う顔立ちの里中先生は笑顔で迎えてくれた。
 するとテーブルの上でお弁当を食べていた女子高生が立ち上がり手を振った。
「マイ〜っ、こっちこっち〜!」
 大げさなんだよなぁ、と思いながら私は苦笑する。
 深緑色のツインテール、鬼灯色の瞳の彼女は不破・蘭さん、私と兄貴の隣の2組の生徒だった。
「あれ、タクミは一緒じゃねぇのか、妹?」
 相変わらずこの人は私を『妹』と呼ぶ、何時になったら名前で呼んでくれる事やら……
 金髪で逆立った髪に多分町を歩けば10人中9人は振り向くだろう、金の髪にビジュアル系の顔立ちのこの人は三葉彩文さん、この人は3組の人だった。
「兄さんは先生に呼ばれました」
「フン、どうせ何かやらかしたんじゃないのか?」
 相変わらずキツイ事を言って来る人だなぁ。
 背が高く、目つきが鋭い彼の名前は大神吠栖さん、4組の生徒だった。
 
 実は里中先生とこの3人は一見地球人に見えるけれども実は異星人で、地球を守る為にやって来たセイヴァー・エージェントだった。
 里中先生を班長とし、兄貴達はこの地区担当の警備を任されている。
「誰が何がやらかしただよ、この犬っころ」
「に、兄さんっ?」
 いつの間にか後ろに兄貴が立っていた。
 兄貴と大神さん、この2人は犬猿の仲と言うか何と言うか……
「ちょいと用事頼まれただけだよ」
 兄貴はそう言いながらベットの上に足を組んで座ると持って来た焼きそばパンを頬張った。
 私も不破さんと三葉さんの間に座って持って来た昼食を食べる。
 すると里中先生が言って来た。
「昨日はご苦労様ね、急に仕事入れちゃって……」
「ああ、気にする必要はねぇよ」
「任務があれば出撃するのがセイヴァー・エージェントです」
 三葉さんの言葉に大神さんが続く。
 だが不破さんは目を細めて泣きそうになっていた。
「昨日『ドラゴンファイター・マヤ』の途中だったのに〜」
「どうせ録画してんだろ? DVDも買うんだし問題ないだろ」
「アニメは直で見るのがオタクの王道なんだよぉ〜」
 不破さんに兄貴に口を尖らせる。
 すると里中先生が一間置くと真面目な顔をしながら息を零した。
「……でもここの所、異星人の犯罪が多くなって来たわね」
「おいおい、漫画じゃないんだから……これから良く無い事が起こる前触れって訳じゃないだろ」
「確かにね、私達調査派のセイヴァ―・エージェントも警備を強化してくれているわ、なるべく事件を未然に防げるように努力してるんだけど……」
「その為のオレ達だ。言ってくれれば直ぐに駆け付ける」
 兄貴は微笑する。
 そんな話をしながら昼休みは過ぎて行った。