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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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「そこまでだぜ」
 オレはセイヴァー・アームズの切っ先を向けた。
 しかしディランに何の反応も無かった。
「とうとう禁断症状が現れたか?」
「いや、まだ初期症状だ。だが時間の問題だ」
「じゃあ作戦道理に行くか、遅れるんじゃねぇぞ!」
「貴様が言うな!」
 オレは両足を揃えてジャンプ、大きく宙に舞うと体制を変えてディランの前に着地した。
「残念ながらここは通行止めだ。大人しくしな!」
 オレはディランに向かって言う。
 ディランは足を止めてオレに向かって下顎をガクガクと動かした。
『ク……シ……』
「はぁ?」
『……クル……シ……イ……チカラ……チカ……ラァアアァァ―――っ!』
 その力の責でこうなったってのに……
 ディランは大きく咆えながらオレに向かって突進して来た。
 するとバイスが飛びあがると右足を突き出した。
「はっ!」
 バイスは相手の後頭部に飛び蹴りを食らわせて宙で弧を描いて着地する。
 だが相変わらずディランはよろけるだけで全く聞いていない、後ろの敵を睨みつけるとバイスに狙いを定めた。
『ガアアアァアア!』
 ディランは大きく肥大化した拳を振るい下ろした。
 しかしバイスはそれをあっさり交わすと今度はオレの番だった。
「こっちだぜ、蜥蜴野郎っ!」
『グルルル……』
 オレは叫ぶ。
 ディランはオレの方を見るとオレの方に向かって走り出した。
 オレはテレポートで少し離れた場所へ移動する。
 オレを見失ったディランが周囲を見回すと足元に火花が飛んだ。
 みるとサイモンがセイヴァー・アームズを構えた。
「こっちだよ、ウス鈍!」
 サイモンも挑発する。
 これはオレ達の考えた作戦だった。
 ディランが暴れ出したら周りに被害が出る、この少し先に雑木林があるのでそこへ連れ出してオレがセイヴァー・ギアで抑えて検挙すると言う作戦だった。
 ここで一気に検挙すると言う手も考えたが、場所が場所なだけに念を入れる事にしたと言う訳だった。
「よし、上手く行きそうだ!」
 オレは口の端を上げた。
 作戦は順調、問題は無い…… だがそう思っている時に限って失敗するモンだった。
『ウウッ! グゥアアア―――――ッ!』
「な、何っ?」
 オレは…… いや、オレ達は目を見開いた。