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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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 それから数日の後。
 私は保健室で事件の結末を聞いた。
 ベイジャーは兄貴達に自首し、もう復讐はしないと誓ってくれた。
 早川さんは自分の過去の過ちを受け止めてくれた家族の為にやり直す事を改めて決意、もう二度と自分を卑下する事はしないと約束した。
「ベイジャーは情状酌量の余地もあるから、そんなに長い服役にはならないそうよ」
 里中先生は言って来た。
 今回の事で私も勉強になった。
 過ちは誰でも犯すけど、それを許すのは容易な事では無いと言うだった。
「全く、面倒なことこの上ない……」
「でもまぁ、これでおっさんも長い苦しみからも解放されるだろ…… あとはいつまでも家族仲良く暮らすこったな」
 大神さんは眉間に皺を寄せ、三葉さんは頭の後ろに手を回した。
 この一件で早川さんの家族の仲は前にもまして深くなったらしい。
「そうだよね〜、本心打ち明けあうのが家族だよね、アタシも羨ましくなったな〜」
 不破さんはため息を零した。
 不破さんは家族がいない分、本当にうらやましそうだった。
 すると何を考えたのか、兄貴は私の肩に手を回しながら言って来た。
「まぁ、家族の絆はオレ達の方が圧倒的に上だけどな」
「はぁ? 何言ってんのよ? 別にそんなの関係無いでしょうが!」
「大丈夫だって、オレは全て何も隠しはしねぇよ…… だから舞も何も隠さずに『お兄ちゃん大好き』って……」
「い、言えるか、バカァ―――っ!」
 私は拳を強く握って立ち上がると兄貴の顔面を殴り飛ばした。
「バカ兄貴っ! アンタのは正直じゃ無くて欲望丸出しって言うのよ! 勘違いすんな!」
「ま、舞? 落ちつけ! お兄ちゃんは素直なお前が…… いや、素直になったらツンデレじゃないか」
「ツンデレじゃないっ! いい加減にしろ、このバカ兄貴ぃ〜〜〜っ!」
 床に転がる兄貴を見下ろしながら何でこんなのが家族なんだろうと思った。
 呆れて首を左右に振る不破さん達を後ろに、出来れば交換して欲しいと思う私なのだった。