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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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 真相を知らない小学校側は大事を考え、そのまま授業を中断、生徒達を下校させた。
 林太郎は友人達に別れを告げると校門を出るとマンションへ帰宅した。
 その途中、林太郎は止まっていた1台の白いワゴン車の横を通り過ぎた。
 しかしその車の中にいた1人の男の目が輝くとアクセルを踏んだ。
 ゆっくりと動く車は林太郎の前で停車すると突然扉が開き、中にいた男達が手を伸ばすと林太郎は車内に引きずり込まれた。
 
 走る車の中で目と口を塞がれ、両手を後ろに回してロープで拘束される。
 連れて行かれたのは使われなくなった廃工場だった。
 そこには1人の男が立っていた。
 年は30前後、長い髪を後ろで束ねた姿の男だった。
 それはヴィア星人、ベイジャー・リーの変身した姿だった。
 ワゴンの中から引きずられるように出された林太郎はベイジャーの前に連れて行かれた。
「随分と手順は変わりましたが…… まぁ良いでしょう、これで目的は果たせます」
 そう言いながらポケットの中から取り出した小切手に金額を書くと誘拐犯達に手渡した。
 犯人達は小切手を受け取るなり車に乗って去って行き、林太郎とベイジャーだけが取り残された。
「さてと、本題に入りましょうか」
 ベイジャーは目を吊り上げながら近づくと林太郎に平手打ちをお見舞いした。
「あぐっ!」
 林太郎は地面に転がる。
 さらにベイジャーは胸倉をつかみ上げながら握った拳を振り上げて顔を殴り飛ばした。
「苦しいですか? そりゃそうでしょうね…… でも恨むなら貴方の父を恨むのですね」
 ベイジャーは話した。
 200年前、自分は父や母と休日を利用して遊びに出掛けた。
 その帰り道、林太郎の父ボウラ・べシルとその兄、グリズ・べシルの起こした事件に巻き込まれた。
 その事件で両親は死亡、自分も昏睡状態となった。
「しかし私の不幸はこれからでしたよ…… 家も無くなり、親戚をたらい回しにされた挙句、施設に押しつけられるように預けられた…… 分かりますか? 私の人生は狂わされた! 人殺しなんだよお前の父親はなっ!」
 ベイジャーは林太郎を罵倒する。
 腹に溜まっていた鬱憤を吐き出した為に落ち着きを取り戻したベイジャーは少し離れた。
「安心してください、まだ殺しませんよ、貴方は父親の目の前で苦しませながら殺してあげますよ、大事な人間を失うと言う絶望を味あわせた上でね」
「何言ってんだ」
 突然聞きなれない言葉が工場内に響き渡った。
「だ、誰だ?」
 ベイジャーは辺りを見回した。
 すると入口の側に1人の少年が左手をポケットに手を入れ、右肩に光の刃をかけながら立っていた。