SAⅤIOR・AGENTⅡ
オレはマンションから高校へ向かう道とは逆方向にある桜星小学校の教室で林太郎を見張っていた。
(退屈だな……)
オレは欠伸をする。
普段なら許可の無い者が学校に入る事は出来ないが、今のオレはギルの光学迷彩能力を使っていて周りの人間には見る事さえできない。
人知れずオレは授業参観に来た親のように教室の後ろに腕を組みながら立っていた。
「もうすぐ昼か……」
オレは時計を見る。
もうすぐ時刻は3時になろうとしていた。
これさえ終われば後は家まで無事に戻るのを見届けるだけ、さっき千鶴ちゃんが探索派のセイヴァー・エージェントに連絡を入れたらしく、交代してくれると命令が入った。
後は早川さんを苦しめているろくでなしの兄貴を検挙するだけだ。
『タクミ、ミーゼルから連絡だ』
(千鶴ちゃんから?)
オレはそっと教室を出る。
そして廊下で千鶴ちゃんに連絡を入れた。
『タクミ君? 悪いけど今すぐ保健室に来てくれる? 重大な事が分かったの』
「早川さんの兄貴が見つかったのか?」
『ええ、見つかったわ…… 死体になってね』
「何だって…… あっ!」
オレは思わず声を上げてしまった。
声に反応して教師や生徒達が廊下に顔を出した。
「やべっ……」
オレは大急ぎでテレポートして学校の保健室へ飛んだ。
作品名:SAⅤIOR・AGENTⅡ 作家名:kazuyuki