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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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 オレは早川さんの部屋にやって来た。
 そして早川さんを呼び出して公園にやって来るとオレがセイヴァ―・エージェントだって事を説明し、事情を聞いた。
「タクミ君の言う通りです。私は…… かつては兄と供に強盗でした」
 早川さんは涙を流しながら語った。
 それは殆どオレ達の推理と同じだった。
 自分と兄はみなしごで、幼い頃から貧しい暮らしを強いられてきた。
 生きる為にやむなく窃盗を繰り返していたが、決して人を傷つけず殺さない事を誓っていた。
 しかし惑星ヴィアにて車で逃走している最中、行きずりの一家を乗せた車と事故を起こしてしまった。
 相手の車は曲がりきる事が出来ずに転倒し、乗っていた両親は即死、幼い子供は命に別条はないものの、昏睡状態だったと言う。
 罪の重さを実感した彼は兄を説得するが聞かず、警察に自首をしたと言う。
 兄と供に宇宙刑務所で200年の刑期を終えて兄と別れ、それ以降は真面目に働いて所帯を持ち、林太郎が生まれたと言う。
 しかし数年後、音信不通だった兄がやって来た。
「突然現れて金を寄こせ言って来たんです、もし断れば、妻と林太郎に全てをバラすと……」
 早川さんは兄から逃げるように各惑星を渡り歩き、最終的にこの地球に亡命して来たという。
 しかし兄の魔の手は林太郎にまで及んできた。
「御剣さん、確かに私は大変な罪を犯しました。今更どんな事をされても構いません、ですが妻と林太郎だけは……」
「ええ…… 貴女達家族は、オレが守ります」
 確かに罪を犯したとしても彼は罪を償った。平和に生きる権利がある。
 ましてや林太郎や奥さんには何の罪も無い、オレは必ず守ると誓った。