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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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 翌日、日が傾いて来た頃だった。
 とある空き地の地面の中からベルバ星人、グラド・二ーブが現れた。
『ふぅ、良く寝たぜ』
 地中を自由に行き来する事が出来るベルバ星人はその特性を生かしてセイヴァ―・エージェントを撒く事が出来る。
 グラドの巨体が重たそうに地中から這いずり出る。
 立ち上がって服に付着した土を振り払うと目を閉じて鼻を空を向けて鼻孔をヒクつかせた。
『さぁて、今日は何を食うか…… んっ?』
 グラドは目を見開いた。
 とても香ばしい、いても立ってもいられない匂いが鼻に入ると口の中から唾液が溢れだした。
『こいつは美味そうだ!』
 グラドは背中の羽根を羽ばたかせると匂いのした方へ急いだ。
 匂いを追って行くとその正体は道を走る1台の大型トラックだった。
『あの車か、地球人の匂いしかしないな……なら大丈夫だな』
 ベルバ星人の嗅覚は皮膚や汗の匂いから他の星の人間を識別する事が出来る、自分の嗅覚に絶対の自信を持っていたグラドはトラックの前に回り込んでアスファルトに足を付けた。
『止まれ!』
「うわっ!」
 運転手は慌ててブレーキを踏む。
 グラドの一歩手前でトラックが止まると、グラドは運転席に回ってドアを力づくで破壊すると運転手の胸倉をつかんで放り出した。
『邪魔だ! 命が惜しかったら消えろ!』
「か、かか…… 怪物だぁ!」
 運転手は怯えてその場から逃げだした。
 長い間待つ事の出来ないグラドは後ろに回って荷台の扉に手を当てた。
『さぁて、こいつの正体は何かなぁ?』
 物凄い力で鍵を破壊して扉を開けた。
 グラドの目に映ったのは勿論匂いの正体…… では無かった。
 目の前に黒い物が映ると顔に激痛が走り、思い切り後方に吹き飛ばされた。
『グヒィイイ―――ッ?』
 グラドは悲鳴を上げながらゴム毬のように地面に転がった。
『グヒッ? 一体何が?』
 左手で顔を抑え、右手を地面に付けながら立ち上がった。
 その訳は目の前にあった。