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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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 元々フロア内には20人弱の異星人がいた。
 しかしこいつらは戦闘訓練は積んではいるが、デスクワークが専門だろう…… しかしそいつらがいなくなる頃には別のオメガの連中が部屋に入ってきて応戦となった。
 遅かれ早かれこの部屋にやってきただろう、元々この部屋にいた奴らとは明らかに動きの切れが違った。今戦ってる連中は本格的な戦闘員だった。
 しかしオレ達の敵じゃなかった。しかし時間がかかるのは不味かった。
「チッ、こうなりゃ仕方ねぇか!」
 オレはふとレンを見た。
 レンの方も体力の配分は考えているし、まだまだ十分にやれそうだ。
 しかし時間が経てばオレ達どころか地球やゼルベリオスが危ない…… オレは『アレ』を使う事にした。
「はあぁああーーっ!」
 オレは全エネルギーを開放した。
 金色のオーラが発せられると圧倒的なパワーとスピードで戦闘員達の間を縫って切り裂いて行った。
 瞬きをするより早くフロア内の戦闘員達が消滅した。
『なっ?』
 何が起こったのか分からないエンフィールドは目を皿のように丸くし、ただ呆然と金色の粒子となって消えて行く仲間達を見ていた。
 するとその隙を塗ったレンが瞬間移動してエンフィールドの前に移動すると右手のセイヴァー・アームズで斬り裂いた。
『うぎゃあああーーーっ! 何でええぇーーーーっ???』
 エンフィールドは無様な断末魔を上げながら消滅した。
 しかしモリゾンは動じなかった。それどころか消え行くエンフィールドをまるで汚物のような目で見ていた。
 それを構わずレンはモリゾンをにらみつけるとそのまま足首を捻って体制を変えると今度は左手のセイヴァー・アームズを下から振り上げた。 
「はああっ!」
 レンの渾身の一撃が炸裂した。
 これでモリゾンも検挙…… とは行かなかった。
 モリゾンは背後に仰け反るとレンのセイヴァー・アームズの切っ先を交わした。
「なにっ?」
 レンは目を見開いた。
 するとモリゾンは足を広げて膝を曲げて火を低くすると右腕を引いてレンの左わき腹に掌底を繰り出した。
『ハアアッ!』
「ぐはあぁあ!」
 レンは顔を歪ませながら体をくの字に曲げながら吹っ飛んだ。
 その光景をオレは目を見開いて見ていたが、その刹那の間隙が出来てしまった。
 硬直したオレとの間合いをあっと言う間に詰めたモリゾンはオレに向かって右掌底を突き出そうとした。
 レンの吹っ飛ばされ具合を見れば分かる、これを食らったら不味い、オレはテレポートで回避した。
 ただしそんな距離は回避しない、攻撃は放たれた瞬間が1番無防備になる…… オレは攻撃を放った後のモリゾンの背後に移動するとセイヴァー・アームズを振るおうとした。
 だが……
「なっ??」
 信じられなかった。
 突然オレの腹部にハンマーで殴られたような鈍い痛みが走った。
 モリゾンは右足を振り上げると後ろにいたオレに向かって蹴りを放った。
「がはぁあ!」
 オレの呼吸が一瞬止まると床を大きく転がった。
 助かった。開放状態じゃなきゃ上半身と下半身が生き別れだった。
 まるで焼け石を飲まされたような痛みがオレの腹を左手で押さえながら立ち上がってモリゾンを見上げた。
「……テメェ」
 オレは歯を軋ませた。
 モリゾンは悠然とオレを見て目を細めていた。
 そんなモリゾンにオレは目を見開くと床を蹴って走り出した。
「野郎っ!」
 オレは大きく振りかざしたセイヴァー・アームズを振り下ろした。
 しかしモリゾンは右に避けて交わしてしまった。
 しかしオレは両手首と腰を捻ると避けたモリゾンを追撃した。横一線に金色の刃を振るうが、しかしこれも身を屈めて交わされてしまった。
 すると離れた場所へ吹っ飛ばされたレンもセイヴァー・アームズを身構えて突進してきた。
「うおおおーーーっ!」
 レンは左右のセイヴァー・アームズを振るって攻撃した。
 目にも止まらない連続斬撃が炸裂するが、これも全て交わされてしまった。
 レンが1歩踏み込む度にモリゾンは後退する、オレも全身に力を入れてセイヴァー・アームズを構えて突進して戦いに加わった。