SAⅤIOR・AGENTⅡ
ファーラン達がいる山中から遠く離れた場所にある森の中、都会と違い夜の闇と静寂に静まり返り、そこに棲む動物達が眠りに着き朝を待つ所に場違いとも言うべき建造物が経っていた。
何十年と言う訳ではないが、結構長い時間雨風にさらされて壁や窓は所々痛んでいるが、3階建てで白塗りのその立派な建造物はアブラムが備渡に提供した研究所だった。
その研究所にアブラムがテレポートをしてやって来た。
ふと空を見ると周囲が昼間の様に明るくなり、台風でも来たかのような強力な風が巻き起こった。
アブラムの目線の先には巨大で所々に赤や青の明りが点滅する円盤が浮いていた。
そして船底から一筋の光が放たれ、それが大きくなると2人の男が現れ、その後ろから10体近くのロボット兵士が現れた。
最初に現れた2人は双子だろう、同じ顔立ちをしており、2人供真っ黒な2つ目に赤い皮膚と頭にはダーク・グリーンの髪を生やしていた。
2人供ミリタリー・ジャケットの上から左胸にオメガのメンバーである証しのΩに髑髏マークがはまった様な紋章が描かれた黒い金属のショルダー付きの胸当を装備し、両手には黒いグローブ、両足に派黒いブーツを履いていた。
この異星人達はアブラムを迎えに来たオメガ戦闘部隊の指揮官ゲベールとエンフィールドだった。
そのゲベールがアブラムに言った。
『首尾の方は?』
するとアブラムは懐から改良型エヴォルとUSBメモリを取り出した。
メモリ自体は地球製だが、この中には改良型エヴォルのデータが記録されていた。
それを見たゲベールとエンフィールドは互いを見て頷くとアブラムに言った。
『確かに本物の様だ』
『提督がお待ちだ』
「分かりました」
ゲベールとエンフィールドが背を向けるとアブラムも後に続こうとする、するとその時だ。
「待ちやがれーーーーっ!」
その場にいる者達の耳に罵声が響いた。
すると背後に2人の少年が現れるとその手に持ったセイヴァー・アームズに赤い光の刃を点らせた。
その2人とはエイリアン・ハンターのアジトにいたセイヴァー・エージェント2人組だった。
作品名:SAⅤIOR・AGENTⅡ 作家名:kazuyuki