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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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エピソード14,最強タッグ、匠とレン




 何とか間に合った。
 空には真っ暗な夜の闇をかき消すほどの強い光を放つオメガの円盤、目の前にはオメガのエージェントだろう2人の異星人とロボット兵団、そして今回の元凶で憎むべきクソッタレ野郎、アブラム・サロウがいた。
 オレ達は芝生の大地に降り立つとセイヴァー・アームズを構えた。
「カイト星人、アブラム・サロウ、そしてオメガの連中だな? 大人しく投降しろ!」
 オレは連中に言った。
 こいつらに『投降』の二文字は無いだろう、言ったって無駄だってのは分かってるが一応言わなきゃならなかった。
 するとアブラムが溜息を零しながら言って来た。
「やれやれ、今は本部が大忙しだというのにご苦労な事ですね…… 私1人を追ってここまで来るとは」
「だったら大人しく捕まりやがれ! お前等の責でどれだけ大惨事になってんのか分かってんのか?」
「私達の? 何を言っているのです? ほとんど地球人の責でしょう? 我々が与えたとは言え自分の欲望に溺れ、自分達以外の者を認めようともせずに起こした。いわば自業自得です」
「ふざけんじゃねぇ!」
 オレは一蹴した。
 辺りに静寂が訪れた。
 刹那の時間が流れるとレンが言って来た。
「熱くなるな、こいつらの思う壺だ」
 レンも本当は怒っている、何しろ恵ちゃんが巻き込まれた訳だから内心腸が煮えくり返る思いだろう。
 だがこいつは冷静だから今は何をやるべきか分かっていた。
 するとオメガの一員の1人がオレ達の踏み出した。
『中々骨のある連中だな、折角だから相手をしてやろうじゃないか』
『ゲベール少佐、我々の任務を忘れたか!』
『分かっているよエンフィールド少佐…… なぁに、たった2人に5分もかからんさ』
『……遊びすぎるなよ、提督は寛大だが限度がある』
『ああ』
 ゲベールと言う男は右手を上げるとロボット兵達は一斉にオレ達の前に出てきた。
 それと同時にアブラムはエンフィールドと供にオメガの円盤の底から放たれている光の方に向かった。
「待てっ!」
 オレは叫ぶ。
 しかしそこをロボット兵達とゲベールが止めた。
『おっと、ここを通りたければ小生を倒して行くのだな…… 最も、それが出来ればの話だがな』
「ハッ、言ってくれるぜ」
 オレはセイヴァー・アームズを構えた。
 レンも得物を構えると、その瞬間ゲベールは薄ら笑いを浮かべながら右手を前に突き出した。
 するとロボット兵士達はゲベールの前に立つ塞がり壁となった。
 完全な二足歩行のアンドロイドで、黒い光沢を放つ平べったいドーム状の顔、胸にオメガのマークの入ったミリタリー・スーツの袖を通した5本の指の両手には地球で言う所のサブマシンガン状の武器やロケット・ランチャーなどが握られ、足には黒い厚底のブーツが履かれていた。
『我等オメガの力を思い知って地獄に落ちろ!』
 途端ロボット兵士達の持つ重火器が一斉に火を噴いた。
 夜空を劈く轟音が響くとオレ達は身を低くして左右に飛んで回避する、ロボット兵は二手に分かれたオレ達に対しても二手に攻撃を分けると、オレ達は硝煙と土煙の中に消えて行った。

 2人のセイヴァー・エージェントに休む間もなく一斉射撃が行われ、最後に放たれたロケット・ランチャーが放たれて大爆発、爆煙が宙高く舞い上がった。
 ゲベールが右手を挙げるとロボット達の攻撃が止んだ。
 春の風に爆煙がかき消されるとそこには誰もいなかった。代わりに青々と茂っていた芝生は無残に吹き飛んだ跡だけが残っていた。
 周囲に敵の姿も気配も無い、確認したゲベールは大きく開けて笑い出した。
『くはははは! 口ほどにも無い、最早死体の確認もあるまい、オレも艦に戻……』
 ゲベールが言いかけたその瞬間、背後のロボット兵達が大爆発を起こした。
「……なっ?」
 ゲベールは油の切れた人形のように後ろを見た。
 するとそこには瞬く間に破壊され、切断された箇所から火花を噴くロボットの残骸を足蹴にする敵達の姿があった。