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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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 一方ガドリアは5本の指先から無数のエネルギー弾を飛ばしてサイモンを攻撃にした。
 サイモンは物陰に隠れながら敵の攻撃を回避しつつセイヴァー・アームズを発砲した。
 β・モードの弾丸はガドリアに向かって飛んで行くが、赤いエネルギー弾はまるで金属に弾かれて消えて行く雨水のごとく、ガドリアの体に当たる度に四散して消えて行った。
 次にガドリアの指先からエネルギー弾が雨のように放たれるとサイモンを守っていた瓦礫の壁はまるでビスケットの様に粉々に砕け散った。
 しかしそこにはサイモンの姿は無かった。
 サイモンは瓦礫が砕ける刹那、別の瓦礫に移動して身を隠したのだった。
『フン、どうした? 逃げてばかりでは勝てんぞ!』
 明らかな挑発だ。
 サイモンはまだ近くにいると言う事を確信しているガドリアは鼻で笑いながら叫びながら歩き出した。
 方やサイモンは忌々しそうに瓦礫に背にしながら忌々しそうに舌打ちをすると首を伸ばしてガドリアの様子を見た。
「チッ、調子に乗りやがって……」
 サイモンは忌々しそうに舌打ちをした。
 サイモンは以前戦ったシド・ガーランドの事を思い出した。
 奴もオメガのサイボーグだが、あちらは戦闘はあくまで最後の手段…… 例え性能自体が同じだったとしても本業が暗殺であるバクマ星人達の方が実力は上なのは間違いないだろう。
 さらに装備されている武装…… アムログよりスペックは劣るだろうが、ガドリアのレーザー・ガトリングは1分間に300発ものエネルギー弾を放つ事ができる。
 1発1発の破壊力と射程だけならアムログの方が上だろう、しかしガドリアの場合は瞬きする暇すら与えない連射が厄介だった。
 サイモンは一息ついて気持ちを落ち着かせると静かに目を閉じた。
(こうなりゃ、賭けるっきゃねぇな)
 静かに目を見開いたサイモンは手元にあった瓦礫の礫を手に取ると後ろに向かって放り投げた。
 高く放り投げた礫はガドリアの頭上でアーチを描きながら遠くの瓦礫とぶつかって崩れ落ちた。
 ガツンッ! と言う音が聞こえると同時にガドリアは音のした方向に向かって右手の指を伸ばした。
『ムッ?』
 しかしそこには誰もいなかった。
 ただ瓦礫が崩れたと思ったガドリアは右手を下げた。
 するとその瞬間、背後の瓦礫の壁に隠れていたサイモンが飛び出した。
 そしてセイヴァー・アームズの銃口を向けて引き金を引いた。
「α・モードッ!」
 ガドリア目がけて光の弾丸が銃口から発射された。
 いくら攻撃力が高くともそれが戦いの全てでは無い、一瞬の隙が戦況を変える事もある。
 今いる自分の位置と臨戦態勢を解いた状態なら再び銃を向けるのには時間がかかる、冷静に戦況を見極め戦略を練れば自分より攻撃力の高い相手に勝つ事も容易だ。
 だがそれは計算上での話だった。
『フン!』
 ガドリアは読んでいた。
 ガドリアの左腕が金色に輝くと体を捻ると光の手刀でサイモンの銃撃を払った。
 すると今度はサイモンの方に隙が出来てしまった。
 自分のプロセスが崩れた事に身を強張らせたサイモン、その刹那ガドリアは足首を捻って体制を変えるとサイモンの側まで駆け寄って間合いを詰めた。
 そして左手を伸ばしてサイモンの右手首をつかんで捻りあげるとサイモンの腕からセイヴァー・アームズが転がり落ちた。
「や、野郎……」
 サイモンは顔を強張らせた。
 ガドリアの鉄の手を振り払おうと左手でガドリアの腕をつかむがビクともしない。
 するとガドリアはサイモンの目の前に右手の全ての銃口を突き出した。
「くっ!」
『悪く無い手だ。だが甘かったな!』
 歯を軋ませたサイモンの顔面に向かって5本の指全てが火を噴いた。
 サイモンの頭は粉微塵に吹き飛ばされ、その反動で背中から倒れると首から上が無くなったサイモンの体は光の粒子となって消滅した。