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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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 そこは天井だった。
 蜘蛛の巣の様に並ぶ太くて大きな鉄パイプの上に3つの影があった。
 3人組はその場から飛び降りて床に足を付けた。
 そしてその内の1人、浦木を撃っただろう男が言った。
 そいつは高そうな黒いYシャツの上から黒い生地に赤い縦模様のスーツと同じ柄の丸い鍔付きの帽子を被ったギャンブラー風の男で、袖から覗く5本の指先から煙を噴き出す機械の義手を見せながら言って来た。
「この星の連中には1人の残らず消えて貰わなきゃならない、誰1人生かして置く必要は無い」
「大体これから滅ぶ惑星の金に何の価値があるって言うんだ?」
 すると1番右端に立っていたレスラー風の男が吐き捨てた。
 短く切った金の髪のオールバック、ガタイの良い体格の上半身には黒いノースリーブのシャツがはち切れんばかりに着てその上から白い長そでのシャツをマントの様に羽織り、下は白いズボンと靴底の厚い靴を履いた男だった。
 そして最後の1人、左端の男が言った。
「あまりにも遅いから迎えに来てやったぞ、計画はバレちまったみてぇだがな」
 そいつは腕を組みながら言って来た。
 渋谷とか新宿とか歩いてそうなオレと同じくらいの男だった。
 赤い帽子の鍔を後ろに回し手かぶり、首元まである長袖の白いTシャツの上から緑のベストを羽織ったジーンズ姿とスニーカーを履いていた。
 どうやらオメガからのお迎えのようだ。すると後ろにいたレンが口を開いた。
「貴様等…… ガドリア! アムログ! ゼンカー!」
「知ってんのか?」
「バクマ星人3兄弟、オメガの改造手術を受けた殺し屋だ」
 レンは説明する。
 すると左端のゼンカーが言って来た。
「お前がレンか、貴様の名前は聞いているぜ、セイヴァー・エージェントに寝返った裏切り者だってな」
「全く嘆かわしい、オメガに忠誠を誓っておきながら行き恥をさらすとはな!」
 右端のアムログも忌々しそうに見下した。
 言われた方のレンは気にはして無いだろうが口を紡いだ。
 すると真ん中のガドリアが言って来た。
「別に構わんだろ、要するにここにいる連中ごと始末すれば良いだけの話だ」
「お前はさっさと行きな。表に船を用意してあるぜ」
「分かりました。ならここはおまかせしますよ」
 そう言いながらガドリアはオレ達に向かって右手を伸ばすとゼンガーがアブラムに言った。
 アブラムは目を閉じながら承諾するとリモコンの黄のボタンを押してその場から姿を消した。
「待てッ!」
 オレが飛び出そうとする。
 それよりも早くエイリアン・ハンター達の輪の中から両腕を肥大化させた剛田が飛び出した。
「うおおおおっ!」
 剛田は巨大な拳をガドリアに突き出した。
「おっと!」
 するとゼンガーがガドリアの前に立ちふさがると右手で軽々と受け止めてしまった。
 剛田はおろか周囲の者達…… 勿論オレも驚いた。
 何しろオレと同じ背丈の男が軽々と剛田の拳を受け止めてしまったからだ。
 だがそれだけじゃ無かった。ゼンガーの目が怪しく輝くと金色の電撃の様なエネルギーが放たれるとそれを浴びた剛田は絶叫した。
「ぐああああーーーッ!」
 剛田は体を仰け反らせながら苦しんだ。
 だがそれだけじゃ無い、すると剛田の体にまとわりついた金色のエネルギーが今度は口を開けたゼンガーの中に流れ込んだ。
 エネルギーが流れ込むにつれて剛田の体はしぼんで行き、元の姿に戻るとその場に倒れて動かなくなった。
「がっ…… ああぁ………」
 まだ生きてるらしくうめき声が漏れた。
 残されたエイリアン・ハンター達は剛田がやられた事に怯んだ。
「何? 今の?」
 舞は目を見開いた。
 奴の能力が何か分からないが、少なくとも超能力じゃ無い事は確かだろう、何しろレンも驚いて目を見張っていた。
 連中はオメガだからどんな事をしようと驚きはしないが、とんでもない能力だって事は確かだ。