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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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 その頃オレはグラドの行方を追っていた。
 やって来たのはマグロの冷蔵庫だった。
 鍵のかかった扉が力ずくでこじ開けられ、本来ならぎっしりとマグロが詰められているはずの冷蔵庫の中がガランとしていて、床には大きな穴が空いていた。
「チッ、またか……」
 オレは扉の縁を殴る。
 バイスは大きく開いた穴の中を覗くとファーランが尋ねた。
「バイス、追える?」
「……いや、無理だ」
 バイスは首を振った。
 ヴォルフ星人でも土の中までは追う事は出来ない。
「サイモン、そっちはどうだ?」
 オレはギルをつかんでサイモンに連絡を入れる。
 あいつは自分自身をデジタル化して人工衛星と一体化し、宇宙から監視していた。
『ダメだな、野郎の姿は無い』
「またか……」
 オレ達は顔を顰める。
 しばらく考えているとサイモンが言って来た。
『こうなったら罠でもしかけるか?』
「罠? どんなの?」
「いっそ舞の料理でも置いとくか? あれ食ったらさすがにぶっ倒れるだろ」
 オレは提案する。
 しかしファーラン達が顔をしかめながらオレを見た。
「タクミ、それさすがに言い過ぎだよ」
『そんな事言ったら怒られる程度じゃすまないぜ』
「昼間の事と言い、謝った方が良いんじゃないのか?」
「何でだよ、本当の事だぜ」
「シスコンのクセに……」
 ファーランは呆れながら両手を上げた。