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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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 大体1時間くらいか……
 目隠しをされてるから何処を走っているのか分からない、まして舞が人質に取られてる上にギルも取られてるので抵抗する事も出来なかった。
 だがどうやら目的地に到着した様だった。
「出ろ!」
 オレの右に座っていた剛田に言われて外に出た。
 足を地につけるとどこかの建て物の中だろう、剥き出しになっている耳にオレの足音が木霊した。
 だが相変わらず目隠しを取る事は許されず、そのまま腕を引かれて連れて行かれた。
 道を右に曲がったり左に曲がったりしながら進んでゆくと奴等の足音が止まった。
「止まれ」
 命令されてオレも足を止める。
 するとオレの背後に回ったエイリアン・ハンターがオレの目隠しを解いた。
「………」
 オレは周囲を見回した。
 恐らくどこかの地下だろう、コンクリート張りの床に天井には空調が回っていて、オレの周囲には無数のエイリアン・ハンターのジャケットを羽織った連中が恐い顔で取り囲んでいた。
 数は軽く20人は超えるだろう、殆どがオレや舞と同じくらいか少し上くらいの連中だった。
「やれやれ、オレも人気者になったモンだぜ、こんなにお出迎えがいるなんてな」
 オレは両手を上げながら皮肉交じりに言う。
 勿論連中の頬が緩む訳じゃない、敵の冗談に笑う奴なんていないからだ。
 だがそんな事はどうでも良い、問題は舞だ。
 オレは眉間に皺を寄せながら尋ねた。
「約束通り来たぜ、舞はどこだ?」
「良く来てくれたな、御剣匠君…… いや、白金匠君だったな」
 目の前にいた連中が左右に別れると1人のおっさんが立っていた。
 絵に描いた様な科学者風のおっさんだった。その背後には以前オレを襲った日本刀を持った野郎と女が立っていた。
「まずは始めましてだな、私はこのエイリアン・ハンターのリーダー、備渡幸也だ。こうして会えた事を光栄に思うよ」
「ハッ! 何バカな事を言ってやがんだ。オレを連れ出す為に舞を巻き込みやがって! 絶対許さねぇぞ!」
 オレは右手を強く握りしめた。
 すると備渡の隣にいた日本刀の男が柄に手を当てながらオレに叫んだ。
「口を慎め! オレ達のリーダーに向かって……」
「止せ刀堂、理由はどうあれ妹さんを誘拐し、彼自身も命を落としていた。まぁ、あの程度で命を落とすとは思えなかったがね」
「命を落としかけた? ……俺を襲ったのはテストだったってのか?」
 オレは襲われた時の事を思い出すと眉間に皺を寄せた。
 本気を出したらオレの方が強いってのは分かってるクセに随分余裕かましやがるぜ。
 すると備渡は手を上げながら言って来た。
「あれでくたばるようなら君はその程度の存在だったって事だ。さすがは数多くの死線を潜ってきただけの事はある」
「お世辞言われても嬉しくねぇんだよ、自分達が敵わねぇからって闇討ちや誘拐なんて姑息な真似を擦るクセにな!」
 オレは皮肉たっぷりに吐き捨てた。
 しかし備渡はうすら笑いを浮かべて答えた。
「しかしこうでもしなければ君はここに来なかった。それは事実だろう?」
「ゴチャゴチャうるせぇぞ、それより舞を返しやがれ! もう用は済んだはずだ!」
「そうはいかない、何の為に君を呼んだと思っているんだ?」
「んだと?」
 オレは首を傾げた。
「君は我々の同士になって貰う、勿論君の妹さんも一緒にだ」
「寝言ほざいてんじゃねぇよ、何でオレがお前等の仲間にならなきゃならねぇんだ?」
「妹さんと同じ反応、やはり兄妹だな…… 君は宇宙人どもをどう思っている?」
「どう思うって、別に何も…… それがどうしたってんだよ? 関係ねぇだろ」
「大ありだよ、宇宙人供は地球に巣くい悪事を働いている、ここにいる者達は皆宇宙人によって生活を脅かされたり愛する者達を奪われた被害者達だ。彼等の様な者達を出さない為にも君の様な者が必要だったのだよ」
「ふざけんな、だからって全部の異星人が悪い訳じゃねぇんだよ、大体殺したから殺し返したら、お前等だって異星人犯罪者その物じゃねぇかよ!」
「貴様! オレ達が宇宙人と同じだって言うのか? 取り消せ!」
「そうだ! 俺の親は宇宙人の責で死んだんだ! 絶対許さない!」
「オレの友人は宇宙人に騙されて金を貢がされた挙句に自殺したんだ!」
 エイリアン・ハンター達は叫んだ。
 全員が全員異星人達の被害者って事か、こりゃ結構面倒だ。