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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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 全てが終わった瞬間、サイモンが元入ったコンセントから飛び出て来た。
「電圧は下げておいた。死ぬこたぁねぇよ、オレ様優しいだろ」
「……相変わらず、えげつねぇな」
 オレは言う。
 って言うか自分で優しいなんて言う奴が本当に優しい訳ねぇだろ、このマッド・サイエンティストめ。
 それはさておき、こいつらは言った通り無事らしい、うめき声が聞こえる…… 後は縛り上げて情報を吐き出させるかサルページした後記憶を消せば良いだけだ。
 ただこう言った鉄砲玉はあんまり情報は知らないだろうが、指揮してる奴がいるはずだ。そいつを探せれば今度はそいつから情報を聞けば良い、いつか上の奴に辿りつくはずだ。
 そう思った時だ。
「やれやれ、やはり一筋縄じゃいかないか」
 突然オレ達の耳に聞き慣れない男の声が入った。
 声のした方を見るといつの間にか破壊された窓際に1人の男が背を当てながら立っていた。
 振り向いたそいつはオレと同じくらいの身長でかなり痩せた体格をしており、色白で顎が細い金色のマッシュルームカット、下半身は足首まである長いジーンズと黒いブーツ、上半身には黄色いシャツの上からエイリアン・ハンターのジャケットを羽織っていた。
 だけどそいつが着るにはかなりサイズが大きくブカブカで、両肩から下がギザギザに引き千切られていた。
「新手かっ?」
 オレ達は身構える。
 だが男は忌々しくため息を零すと言って来た。
「やれやれ、この前会ったのにも関わらずに忘れたか」
「何っ?」
 オレは眉間に皺を寄せた。
 こいつ気になる事を言いやがった。
 オレは思い出そうとするがこいつの顔は初めて見る、生きてる以上言っても仕方ないがオレは舞以外の顔は覚えておきたく無い。
 オレがそんな事を考えていると男は吐き捨てた。
「フン、忘れたなら教えてやるよ」
 男は枯れ木みたいに折れそう両腕に力を入れると信じられない事に腕や胸や足が膨張し、2メートルを超える巨漢となった。
 ただし身につけていたジーンズは腿辺りから下がビリビリに破け、アンダーに着ていたシャツも胸板ではち切れんばかりに伸び、ジャケットも丁度良いサイズになった。
 そして猛々しくなった顔と剣山の様に尖った髪型を見てオレは目を見開いて驚いた。
「テ、テメェは…… あの時のっ!」
 この顔には覚えがある、オレを襲った奴の1人だからだ。