SAⅤIOR・AGENTⅡ
時間を少し遡り……
異星人犯罪者検挙も呆気なく終わり、やる事が無くなったオレは仲間達と別れてその町にある雑貨店に向かった。
いくらセイヴァー・エージェントで任務とは言えオレは学生だ。しかも今日は平日だから学校を休んでる、まして現在桜星高校は半日で終わるからクラスメートや他のクラスの友人達と鉢合わせになったら色々厄介な事になる。
そんな訳でオレは桜星町のデパートと規模は大して変わらないこのビルに入ると各フロアを回りながら色々考えていた。
「……何が良いかな?」
オレは頭を掻いた。
実は一週間後に舞は誕生日になるからだ。
今回は2年間も留守にしただけあってきちんとした贈り物をしたかった。
あいつはそのままでも十分可愛いが、年頃なんだし…… 以前恵ちゃんにああ言ったものの着飾っても良い頃だ。
だけどあいつは服やアクセサリー類に疎いし、まして人形で遊ぶような年じゃ無い。
「……一体どうすりゃ良いんだよ?」
オレは頭を掻きながら思った。
男ならゲームでも漫画でもやりゃ何とかなる、だが女じゃそうはいかない、ファーランならカップ麺箱買いすりゃ良いだけだが、舞じゃ満足するはずが無かった。
2時間ほど悩んだオレは結局何も買わずに店を後にした。
スマホの時計を見ると時間は正午になりかけていた。
「そろそろ帰るか」
なるべく学生達と鉢合わせになりたく無いオレは電車に乗ろうと駅を目指した。
作品名:SAⅤIOR・AGENTⅡ 作家名:kazuyuki