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廃人ニートと義妹と幼なじみと

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「てめーらこの部屋から出て行け…今すぐ!!」
「い、行こう凛!」
紗綾香が急いで凛を連れて出ていった。流石に凛もこれで俺に構うことはないだろう。壊された鍵は幸い予備の鍵がある。明日にでも付け替えよう。
俺はイライラして何もする気が起きなかったからそのまま眠りについた。

「な…なんだ?」
目を覚ますと俺はまず異変に気がつく。なんか体の上に乗っている。しかも掛け布団の内側に。重い。てか動けん。あれか、これが金縛りってやつか。そんなことを思っていると布団の中で俺の上に乗っている何かが蠢き出す。俺は生唾を飲む。幽霊なんか信じてないがこの状況怖い。そしてついに何かが布団から顔を出す。
「おはよー…紅」
凛だった。
「…っこの!」
「ふえっ!?」
どすんっ!
凛とわかった瞬間ベッドからおもいっきりつき落とす。本当意味わからん。あんだけキレて怒鳴りつけたのに朝からなんてことしてくるんだこいつ。
「いてて…どうだった?私の寝起きサプライズは。惚れた?」
「うぜぇ、カス、でてけ」
とんだサプライズだ。最悪の目覚めだったからなおまえ。何もわかってねーなこいつは。だいたい今ので惚れるどころかさらにお前のこと嫌いになったわ。
「わかったよ…でてくよ」
やけに素直に出て行った。絶対食いついてくると思ったのに。
「…鍵変えないとな」
今更である。昨日変えてればこんなことなかっただろうに。
俺はこうして朝から働くことになってしまった。ニートなのに。
「終わった…」
鍵をつけ一仕事終えた俺は再び寝ることにした。なんか朝から疲れたしな。
がちゃがちゃ!
そのときドアノブを回す音が聞こえる。
「あれ?なんであかないの?」
残念だったな。鍵は付け替えたから開けられねーよ。ばーか。
「ねえ、なんでまた閉めるの?部屋を出る気になったんじゃないの?私に心を開いてくれたんじゃないの?なんで…」
凛がドアの向こう側で泣き出した。俺が部屋を出る気になったとか心を開いてくれたとか勘違いにも度か過ぎてる。てか昨日あんなに強気だったのにこんなことくらいで泣くなよ。
「う…ひっく…なんで……お兄ちゃん…ひっく…」
え?今お兄ちゃんとか言わなかったかこいつ?聞き間違い…とかじゃないんだろうな。だいたいこいつ昨日自分で俺とは兄妹ではないとか言ってたよな。
「考えても仕方ねーし寝るか…」
泣いてる女の子を放置して寝るという我ながら鬼畜な選択をした。
あいつのことだ。嘘泣きで俺を部屋から出そうとかそういう作戦なんだろう。
俺は眠りについた…