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廃人ニートと義妹と幼なじみと

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2. ニート跡を濁さず



俺が目を覚ましたのは日も暮れはじめた夕方だった。流石にドアの方からは声は聞こえない。それもそうだな、結構寝たし。だいたい今日は学校あるはずだし。
尿意を催しトイレに行こうとする俺はいつも以上に神経質になってた。それはもちろん昨日の出来事のせいだ。
部屋の外から何も音がしないことを確認すると鍵を開けドアノブに手をかける。が、そのとき俺の第六感が何かを感じ取る。
「誰かが…いる?」
だが物音がしないことはたった今確認したし、伯母さんは仕事だし、凛も紗綾香も学校行っていて、何もなければ今の時間はいないはずだ。
「俺の思い過ごしか?」
そういいながらも恐る恐るドアを開ける。
まず左側を見る。誰もいないな…
次に右側。こちらも誰もいな………いた、床に寝てる凛が。
え!?ちょっ!?な、なんだ!?わけがわからないよ!っと某キャラのセリフが頭に浮かぶくらい混乱する。
ひとまず冷静になって考えてみる。凛の姿を見ると朝のまんまのパジャマ姿、そしてかすかに涙が乾いた後がある。とすると朝泣き疲れて学校にもいかずここで眠ってしまったみたいだな。あれは嘘泣きじゃなかったみたいだ。本当こいつのことはわからない。
さて、本題に入ろう。俺はトイレに行きたい。だけど進行方向にこいつが寝ている。
なんかカビゴンを思い出すな。あの笛で起きるやつな。
熟睡してるようだしまたいで行くか…
っとまたごうとしたその時
「お兄ちゃん…」
「!!」
突然喋るもんだから思わずこいつのこと踏みそうになった。
なんだ寝言か…焦った…
ていうかまたお兄ちゃんってなんだよこいつ。もしかすると…いや確実にこいつ普段俺のことお兄ちゃんって言ってるんだろうな。
「…気持ち悪い」
つい本音が口に出てしまった。
まあ、普通の人なら義妹にお兄ちゃんって言われたら「お兄ちゃんktkr!」とか言って喜ぶところだろう。しかし!俺はこいつが大っ嫌いだ!嬉しかねえよ!気持ち悪いもんは気持ち悪いんですたい!本当こんな感じについつい博多弁がでるくらいな!
「…トイレ早くいこ」
俺は本来の目的を達成しに行った。

「どこ…いった?」
用をたし、無事に目的を達成したのはいいのだが階段を上がると部屋の前で寝ていたはずの凛がいなくなっていた。
まずい、まずいぞ…どの可能性を考えても悪い可能性しか浮かばない。
嘘だろ?この短時間でどこいった?
俺がトイレに行ってここに戻ってくるのに3分もかかってないぞ。
俺よ落ち着け。とりあえず円周率を言うんだ。3.1415…ここまでしかわからん…
考えるな…感じるんだ!
……よし!寝よう!
最終的に意味わかんない結論が出た。
ガチャ…
自室のドアを開ける。
とりあえず部屋を確認してみる。
人の気配はないな。よかった…部屋にはいないようだ。
鍵をかけ、俺は恐る恐るベッドに入り再び部屋を見回し、ようやく眠りについた。
ところが…
夜中の二時くらいだろうか。俺は寝苦しさのあまり変な時間に目が覚めた。しかし、体があまり動かない。何か重いものが俺の上に乗っているようだ。いや、乗っている。確実に。
この状態はあまりにもデジャヴだ。
「嘘だろ…おい…」
目覚めたばかりで回らない頭を無理矢理回転させる。だいたい頭が回ってなくても今の状況はわかりきってしまう。
そう、予想どうり布団をめくると凛が俺の腹の上でヨダレを垂らして気持ち良さそうに寝ている。ヨダレとてもきたないです。
「こいつどうやって俺の部屋に入った?」
部屋に鍵はかかっている。ついでに窓にも。そして俺は寝る前に部屋にこいつがいないことを確認した。
…いやまてよ、一つだけ確認してないところがあったな。
それはベッドの下だ。こんな見え見えのところに隠れてるはずがないと思ってた俺がバカだった。
あれ思い出すな。女の人が家に帰ってきて部屋に入ってふと鏡をみたら、鏡にうつっているベッドのしたに包丁を持った男がいて、それに気づいた女の人はコンビニに行くふりをして外に出て警察に電話したっていう都市伝説というか怪談話のやつ。俺はそれを小学生の時に聞いて我ながらすごく怖かった思い出があるな。
はっきりいって今の状況の方が怖いけど。
うむ。とりあえずこいつをどけるか…
「おらっ!」
「うぎゃ!?」
また、前と同じ感じで凛を突き落とす。そしてこのまま部屋の外に放り出して寝る!
「あたたたた…おはよー紅」
どーでもいいけど今はお兄ちゃんじゃないらしい。まあ、言った瞬間キレるけど。理由はお兄ちゃんって呼ばれるの気持ち悪いから。
「Good night」
俺はそう答えると素早く凛の後ろに周り絞め技をかける。
「え…!ぢょっ…ぐるじい……死んじゃう…がら……お兄ぢゃん………」
激しく抵抗するもおれの絞め技を解くことはできずに落ちた。
良い子は真似しないでね♪
気を失ってる凛を廊下に運びだしその場に寝かせた。
だがこいつをこのまま寝かせるほど俺は人間は腐ってないから俺の布団をかけといた。
やべっ!俺ちょー優しい!
これでやっと寝れるな。
ちなみに余談だけどその後俺の布団は戻ってくることはなかった。
凛の布団もぐり事件があってから何日かたつが特に何事もなく平和な日々をおくってた。
そう、今日までは…