ihatov88の小咄集
54ギャフンカード 11/13
結構いい年になりましたが「バタンキュー」といって寝た人を見たことが無い。この言葉知ってる人結構古い人?
そして、吠え面かくことを「ギャフン」という死語になった言葉がありますが、勝負などでケチョンケチョンにやられて本当にギャフンと言わされた人も未だに見たことがない。そもそも「ギャフン」と言わされるシチュエーションってあるのか?
それがですよ、まことしやかにギャフンというカードがあるとのうわさが巷で流れたのです。
日本人なら知らない人はいないくらいの大手スーパー。そこで取り扱っているカードが薄い青色の犬の柄のカードなのです。ワンワンカードとかいう名前がありまして、ここにお金をチャージするとそのままお金として使えるわけです。このカードでお金を払うと小気味の良いワンコの鳴き声で知らせてくれるのです。
ところが、残額が足らなかった時はどうでしょう?鳴き声が違うそうなのです。そうです、その時はまさに
ギャフン
と鳴くのだと巷でうわさが流れたのです。面白いやないかいそのネタのセンス、個人的には好き。以来我が家ではそれを「ギャフンカード」と呼んでいるのですが案外残額が足らなくなることって、無いんですよね。
それが最近、何の気なしに買い物してたら持ち合わせがない。そこでギャフンカードを使って買い物したのです、残額いくらかしらないまんま……。そしてカードを使ってボタンをピッ!
クゥ〜〜ン
と元気の無い鳴き声。
なーんだ、結局噂やったんかい。ホンマやったら面白いのになぁ。かわりにその場で私がギャフンと言ってやりましたよ、だって持ち合わせが無いんだもん――。
作品名:ihatov88の小咄集 作家名:八馬八朔