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ihatov88の小咄集

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74ウルトラ携帯端末 5/13



 遠い宇宙からやって来たウルトラ商事のセールスマン。地球のとある会社にウルトラ高性能なウェアラブル携帯端末を紹介してきた。
「ジェアァァ!(これは腕時計型の携帯端末です)」
「ほうほう、コレでっか?」
 ウルトラさんの横にいる、見た目はやり手の美人秘書はメガネの縁をクニクニして、この端末は通信機能は全宇宙から対応でき、地球上の言語のみならずウルトラ語も同時翻訳ができる。さらに、血圧計や脈拍測定機能、ホログラムで立体動画の再生もでき、文章は音声で簡単に作成できると説明をする。
「すごい機能だけんど、それなら地球のものでも対応できそうだな。ウルトラ語は別に要らんけど」
「ジェアァァ!」
 とウルトラさんが叫ぶと、携帯端末が独りでに喋りだした。
「これは五感で対応できる機能があります。見る、話すだけでなく、頭に置いたら低反発枕にもなり、センサーを使うと塩分濃度が計測でき、ボタンひとつでアロマの香りからカレーの匂いまで発する機能もあります。しかも!いざとなったらこのボタンでスペシウム光線も出せるんです」
「たった一声の『ジェアァァ』でここまで翻訳できるんか?」
驚いた表情の社長、でもウルトラ語っていつ使うの?
「ジェアァァ!」
 ウルトラさんがボタンを押すと端末からスペシウム光線が。光線は社長の頭をわずかにかすめ、後ろの窓際にある社長の銅像の首をもぎ取り、光線は窓を破って宇宙の彼方へ飛んで行くと、首はポトリと絨毯の上に空しく転がっていた。

「ほう、翻訳できたら秘書、要らんやん」と言いながら自分の首を片付ける社長「しっかし、威力はスゴいな」
 インパクトだけだったら面白いかもしれない。買う気はないけど社長はとりあえずウルトラさんに質問をする。
「それって、どれくらい使えるの?」
「ジェアァァ」ウルトラさんは端末をポチッ、
「わが星では標準的です。継続時間3分です」
「アンタの星じゃエエんやろうけど、地球じゃアカンわ……」

 ウルトラさんはさっきスペシウム光線で開けた窓から飛んで行った。
「オーイ、秘書はどないすんねん……」

作品名:ihatov88の小咄集 作家名:八馬八朔