ihatov88の小咄集
80セルフ6/26
快調に走っているバイク。と思いきや長い直線を走っていると徐々にエンジンがブスブス言い出す。調子が悪いんじゃない、ガス欠だ。思えばしばらく給油してなかった。走ればガスは減るのは当然の成り行き。オレは走りながら一番近くにあるガソリンスタンドを見つけそこで給油することとした。
「へーい、マスター」
と言っても誰も来ない。だってここはセルフなんだもの。 と言いながらもサービスより値段を優先するオレは2000円を機械にいれて給油を始めた。
タンクを開けてノズルをセット、入れる種類はもちろんレギュラー。トリガーを引いていざ給油!
ブビビビビ〜〜ン、カチッ
満タンになったところで機械はストップ。モニター見ると
1498円
こだわりのオレは端数が嫌いだ。指先に神経を集中させて、残りをチョロロっとトリガーをグイッ!
1502円
やべっ、タンクを見るともういっぱい。無言で聞こえてくる相棒の声
「もうお腹いっぱいでーす」
ジャラ銭いっぱいポケットに詰めて仕方なく出発したオレだった……。
続く。
作品名:ihatov88の小咄集 作家名:八馬八朔