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ぽっちゃりグラビアアイドル×秋葉系東大生

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また一週間位経ったとき、僕は花子の働くコンビニに行った。花子は僕に気づいていない。例の嫌味な後輩と二人でレジにいる。やはり嫌味を言うだけあって生意気そうな顔をしている。
「飯館、お前明日の飲み会行くんだろ」
「はい、行きます」
 年上の花子が敬語を使ってしたてに出ている。そこにもう一人の女の子が来た。あの男とどうやら交代する様だ。
「行くんなら会費3000円だから。なんかチゲ鍋みたいだけど、あっそうか、お前にはちゃんこ鍋用意しなきゃいけないか」

“あの男。あんな嫌味言って。文句言ってやろう”僕は一言、言ってやろうと近づこうとした。その時だった。
 花子が何か言いたそうにしている。
「私…」
「私、お相撲さんなんかじゃありません」
 僕はびっくりした。花子が文句を言っている。
「私、女です。そんな事言われると傷つきます。そういう事は金輪際言わないでください」
 僕も今入ってきたバイトの女の子もその花子の発言を聞いていた。生意気な男は拍子抜けした顔で、
「ああ…うん。分かったよ。すまん」
 その男は立ち去った。入れ替わったバイトの女の子は花子に、
「よく言ったわね。偉いわ。飯館さん私達も実は彼の事嫌っているの。後輩のくせに生意気で、ここのバイトの人達はみんな彼を嫌っているわ。ただ調子合わせてるだけで。でも飯館さん本当にあんな奴に愛想振り回して、私達もどうしていいか分からなくて。今度、私達のお茶会に飯館さんも参加しない?歓迎するわ」
 
僕は花子に声をかけて、また公園で会う事にした。

「花子実は見ていたんだよ。嫌味な奴に文句を言うとこ」
「私本当は怖かった。でも勇気を出して言ってみた。言って良かった。私女の子よ。私女の子なのよ。太ってても女の子なのよ。でもはっきり言えて良かった。これもひろちゃんのおかげ。グスン」
 花子は泣いてしまった。そして涙声で、
「私痩せれなくてもいいかなって思う。夢はやっぱり私の様な凡人には叶わないかな。私がアイドルなんてってだんだん思うようになってきた」
「そうか」

“何とかしてあげたい。何とか…”
 僕はそう思いながら二人は別れた。

 次の日の帰りに駅の近くで大飯位喰らいの水泳バカの伸久にあった。
「おう、ラーメン行くかと言いたいところだが金がない。マックでも行くか?」
「ああ。行こう」 
 僕はそう答え二人でマクドナルドに入った。
「水泳続けてる?」
「ああ。続けてるよ。て言うか俺の場合、体動かしていないとストレス溜まっちゃって。無理に時間作ってでも水泳はする」
「また10キロ泳ぐの?」
「今日は5キロで止めといた。でもバタ足のインターバルで800メートルクロールも45秒のインターバル4本と少し休んで50秒のインターバル8本とあとは1分のインターバルを2キロ位続けてた」
「インターバル?インターバルってなんだっけ?」
「インターバルってのは例えば1分つまり、60秒のサイクルと決めて50メートルを泳ぐ。もし35秒で50メートルを泳いだら1分より25秒余っているから25秒休める。40秒で50メートルを泳いだら20秒休める。50秒かかる様じゃ10秒しか休めない。プロ選手ならみんなインターバルでやっているよ。」
 伸久はさらに言った。
「これを続けていると持久力も上がり、若い人の場合肺活量も上がる。誰だって持久力が上がる素質があるんだ。よくもともと持久力のある人とない人といるように思う人がいるけど。持久力は努力で誰でも上がるんだ。俺だってもともとかなり持久力なかった方だよ」

 僕達はマックでコーヒーを飲んだ後別れた。電車の中で揺られながら考えた。

 “そうだ。インターバル”
            (続く)