小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

ぽっちゃりグラビアアイドル×秋葉系東大生

INDEX|3ページ/11ページ|

次のページ前のページ
 

僕は学校の帰り駅の近くで友人の伸久に会った。彼は私立の大学に通っている。中学以来の友達だ。彼は身長が180cmもあるアスリート系の男だ。名前に“伸”という字が入っているからここまで背が伸びたのか?体はすらっとしている。
「よう、」
「おう。伸久」
「ちょっと腹減ってたところだ。一緒にラーメンいかないか。王将で」
「ああいいよ。行くか。」
 僕達はラーメンの王将に入った。
 僕は単品のラーメンを頼んだ。伸久はというと、
「ええと、チャーシューメンとチャーハンと餃子のセット。あと。うーん迷うなあ。金欠だしな。餃子もう一皿食べたいし。だったらもう一杯ラーメンもいいし。いいや。チャーシューメンとチャーハンと餃子のセットだけで。また金欠で週末おやつが食べられなくなる」
「おやつ?これおやつなの?」
「そうだよ。なんで?ご飯はまた家で食べるよ。これ位の量。うちは母さんがパートやってて夕飯が9時位なんだよ。だから腹がもたなくて」
「それで金欠になるからって言ってたけど、金があったら迷わずもっと頼んだわけ?」
「ああ金さえ困らなきゃもっと腹いっぱい食べるさ」
「太るとか気にしないの?」
「太る?まあこう見えても体脂肪は一ケタだけど。まあ食べた後は10パーセントちょっと超えるかな」
「何で?何でそんなに食べても太らないの?教えてよ」
「ああ、俺の場合運動しているからな」
「どんな運動?どれくらいの時間?詳しく教えて」
「運動って言ってもただ水泳しているだけ。クロールだけ。ウォーミングアップで400メートルメドレーはやるけど」
「トータルでどれくらいの距離泳ぐの?」
「まあ長い時は10キロ位泳ぐかな。疲れている時や調子が出ない時、試験の前の時は2キロとか3キロしか泳がないけど」
「10キロ?走る距離に換算するとどの位になるんだろう」
「ええ、泳ぎなれている技術にもよるから詳しくはわかんないけど、毎日2,30キロ走っている様なもんじゃないか」
「そりゃ太らないよなあ」
「どうした?ダイエットでもするのかお前別に太ってないじゃん。筋肉もないけど。まあもしダイエットしたかったら、ひたすら運動するんだね。泳げなかったら毎日走れ。10キロ。そうしたら好きなように食ったって太りゃあしないよ」
 僕達はラーメンを食べ終え別れた。
“10キロ走れか。そりゃ痩せるだろうけど花子にはきついだろうな”

 僕は花子の働いているコンビニに行って花子と話をした。
「今日は公園で会える?」
 僕が聞くと、
「うん。いいわ」そう花子は答えた。
 公園で待っていると花子が来た。
「おまたせ」
「ああ」
「話あるんでしょ?ダイエットの事?」
「うん。そうだけど」
「私にはダイエットなんて到底無理かな。食べるのやめられないし」
「俺さあ、聞いたんだけどさあ。いくら食べても太らない方法ってあるんだと思うんだよ」
「えっ?どんな方法?教えてよ」
「うん。ひたすら運動する事」
「なあんだ運動か一応やってるわよ。30分ウォーキング。別にいじけてるわけじゃなくてやってるけどそれ以上に食べちゃうの」
「あのさあ。無理してみない?」
「無理って?」
「例えば歩くだけじゃなくて走るんだよ。最初は3キロいや2キロでいいからさ。走って汗をかく。やってみようよ」
「そんな簡単に言うけど私子供の頃から体育でマラソンいつもビリかビリ2よ。碌に走ったことないし
「でもやるんだよ。根性出して」
「じゃあ、ひろちゃんも走ってよ。あんたもひ弱な体型してるし、筋肉つける為にうってつけじゃない」
「ああ、分かった。じゃあ、俺も走る。ならいいだろ」
 僕らは近くの緑地公園に向かってその公園の周りを走る事にした。
「じゃあ、走るよ。よーいドン」
 僕が言って二人は走った。

 僕は運動神経は良くないが、体重が少ないので特にマラソンに対して苦手意識はない。むしろ平均より早い方だろう。

 しばらく走ると300メートル位たったところだろうか。花子は苦しそうに、ほとんど歩いている様なペースで走っていた。
「花子頑張れ」僕は隣で応援した。
「頑張れって言っても…はあっはあっ、心臓が破れそう」
 緑地公園の周りは一周して600メートルだと聞く。
「とにかく1800メートル、ここ3周は何とか走ろうよ」
「はあっはあっはあっ」
 花子は返事をする余裕もないようだ。僕は隣でついているがかなり遅いペースだ。
「負けるな花子。あと一周」
「はあっはあっはあっ」
「あと300メートル」
「もう少し」
「やったあ花子」
「はあっはあっはあっ、うっうっ」
「花子頑張ったよ。どうした花子」
 よく見たら花子は泣いている。
「うっうっ」
 花子が言った。
「私もう駄目。こんな長い距離走るのがこんなに辛いとは。もう2度と走らない。死ぬかと思った」
「まあ今日は最初だし」
「最初で最後よ。私もう痩せなくてもいい。食べたいもの食べる。今日もポテチ3袋、いや4袋食べる。運動は今後一切しない。私アイドルになるのも諦める」
 花子はそう泣いて帰ってしまった。
“余計意欲を半減させてしまったな”
 僕はたたずんでしまった。 (続く)