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ぽっちゃりグラビアアイドル×秋葉系東大生

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こうして僕達はよく会いまた、よく話した。
 そして今日も公園で店長の悪口を言う。
「神経質ね。本当神経質、あの人は。でも昔私の父も神経質だったわ」
「お父さん、いないんじゃないの?母子家庭でしょ?」
「私の家はね。小学校2年まで父と母と私で3人で暮らしていたの。父は酒は飲むし帰りは遅いうえ、大声でわめき散らすの。でも母は何一つ文句を言わなかった。いや言えなかった。父に反論なんてできなかった。ただただ、はいはいと父が倒したビールの後始末をしたり」
「花子も耐えてたの?」
「うん。私もお母さんと一緒で我慢してた。ある時父は飲み歩いて次の日、母はパートで出かけてて、私も学校に行って父だけが寝坊して仕事休んだの。飲んできた上仕事休んだ父に母は、はっきり言ったわ」
「私達に迷惑かけるだけならともかく、会社に迷惑かけてどうするのよ。仕事失ったらおしまいよ。仕事に差し支える位飲んだりしないでって」
「俺に飲むなって言うのかよ。俺によくそんな口が利けたな。誰のおかげで暮らせると思ってるんだ。そんな事言うくらいなら離婚だ離婚」
 そう言って父は出て言った。出てまた、飲みに行ったらしいけど数日後父と母は正式に離婚届を出しに行ったらしいの。母親がもう謝ってもダメ。父にたてついたら終わり。それからね。貧乏になったのは」
「お母さんは毅然とした態度でお父さんに意見を言ったんだね」
「そう、その事が印象的だった。毅然とした態度で意見を言うと、こんな仕打ちを受けるんだって。子供の私の心に深く刻まれた」
「今はどう?」
「今は…そうね。意見を言っても案外みんな怒りはしないものね。最初は勇気がいるけど、バイトの嫌味な奴に私文句言ったでしょ。私はお相撲さんじゃない。女の子だって。あれは私の人生の中で本当に画期的な事だったのよ。意見て本当は言った方がいいのね。私一人の人間だもんね」
「もちろんだよ。花子。おめでとう。なんか花子が新たに生まれた感じだよ。本当におめでとう」

 僕達はたまに会う度、こんな感じで話をしていた。花子の性格と生い立ちは複雑に絡み合ってる。花子はどんどん前へ前へと出ていってるようだ。今では自信もついてきてる。僕達は良く公園で話をしながら走ったりした。そうして一年以上の月日が流れた。
                                (続く)