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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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夜のゆびさき 神末家綺談2

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「穂積の仕事を間近で見てみるといい。ちょうど夏休みだしな。嫌なら無理にとは言わンがね」
「俺、行きたい・・・!」

穂積の仕事を知ることが、ひいては瑞を知ることになるだろう。

「そうか。穂積に相談するといい」
「うん・・・!」

夜空を彩る花火を眺めながら、伊吹は新しい扉が開いていくのを感じていた。
ただ漠然と、跡を継ぐのだと思っていたが、目的が出来たような、方向が定まったような、
そんな感覚。

幼い希望に光だけを感じる伊吹は、まだ知るよしもない。

灼熱の痛みも。
混沌の重みも
永劫の孤独の深さも。
いずれ迎える花嫁の贖罪も。

己の血に流れる業の深さも。



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