小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
白にんじん
白にんじん
novelistID. 46309
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

冬月さんと、祝福の世界のもとで

INDEX|6ページ/11ページ|

次のページ前のページ
 

 俺も飯が出来るまで自分の部屋でネットをするために、自分の部屋に戻る。
 自分の部屋に戻り、パソコンの電源を入れて少しすると携帯がけたたまし
く音を立てた。御厨姉からだった。電話に出る。
「よう、元気にやってるか?」
「先輩、どうなってるんですか、世界終焉とか言ってますけど本気なんです
か?」
「それは自分の目で確かめるといいさ」
「……」
「そのうち、詩に惚れるな、多分。一緒に暮らせば情が移るな。レンきゅん
さ、惚れっぽいだろう?」
「そんなことは無いと思いますけどね」
「さぁどうだか? そうやって言うやつほどなんとやら」
 御厨姉はたいそう楽しそうだった。この人は気楽だな。
「それは自分の目で確かめるといいさっておっしゃったけど、それは肯定の
意味でとっていいんですね? 本気で言ってるんですか? 世界は終焉する
んですか?」
「そこまで言うのならいいだろう、本当さ。君は世界を救わなければならな
いんだ」
「世界を救う? 俺が?」
 突然の展開に、俺は頭が回らなくなってしまった。
「そうさ。君が世界を救うんだ。また時期が来れば必要な情報は言わなけれ
ばならない」
「今言ってくれないんですか? そんな肝心なことを……」
 俺は不満げに言う。
「色々あるのさ。縛り的なことがね。別に怖いことや痛いことではないこと
は保証しよう。詩とは仲良くやってくれたまえ」
「いや、でもおかしいですよ。完全に先輩たちが有利なルールじゃないです
か。そんなん認められないですよ。フェアじゃないじゃないですか?」
「フェアじゃない、か……確かにそうかもしれん。でも今はこれが精一杯な
のだ」
 それっきり、電話はツーツーという音しか発しなくなった。ガチャ切りじ
ゃないか。
 俺は頭のなかを整理する。どうやら二人の話を信用すると世界はもうすぐ
終焉するらしい。そして俺はそれを救わなければならないらしい。でも俺は
別に魔法が使えたり超能力が使えるわけでもないし、親戚に超能力者や魔法
使いがいたなんて話は聞いたことがないし、多分一般通念とか一般常識的に
はいないと言っていいだろう。そんな俺が世界の終焉を救えるのだろうか?
という疑問が頭をよぎる。
 回答を求めても回答がでるわけでもなし、俺は考えるのが面倒になってベ
ッドにだらんと言った風に転がる。答えを求めても必ずしも答えが与えられ
るとは、世の中限らない。そんなことは高校生になればわかってしまう。
 俺なんかに世界が救えるのだろうか? と考えてしまう。冬月さんと先輩
は一体どういう関係なのであろか? 
 ふと気付き、時間を見てみるとそろそろご飯だ。二乃宮さんは何を作った
のだろうか? そう思って部屋を出ると、今日のご飯は置いてあった。御丁
寧に二人分。鯖の味噌煮と根菜の煮物であった。いつも思うけど二乃宮さん
って料理うまい。誰か嫁に貰ってくれる人はいないのだろうか?
 冬月さんの部屋をノックし、食事に誘う。誘う、といっても同じ時間に喰
わなければ洗い物が一度にすまないだろう。ただそれだけのことだ。別に余
計なことは考えなくてもいい。
 夕食を食べるとき、冬月さんは向かい合わせじゃなくて俺の隣りに座った。
なんらかの心境の変化だろうか? でもこんな些細な事を聞く気にはなれな
い。特に大したことはないんだろう。
「二乃宮さんもうまいものだろう?」
 俺はそうぽつりぽつりと呟く。
「ええ、なかなか」
 会話は途切れる。それは妙な緊張感だった。それは仕方がないことかもし
れぬ、今まで一度も話したことがないのだから。考えてみれば不思議なもの
だ。今まで一度も話したことがない人と成り行き上だけど一緒に住むことに
なるなんて。
「風呂は先に入りなよ。何時頃入るの?」
「気を使ってくれてるの?」
「まぁ一応な。一応って言い方もアレだな。なんというか、あれだな。気を
使ってるんだよ」
 俺がそう言うと冬月さんは少しクスクスと笑い出した。
「笑ってくれるなよ。気を使ってるんだ」
 いかん、俺まで笑ってしまった。
「私は九時に入りたいんだけど、蓮介君はそれでいいの?」
 ごく自然に蓮介君と呼ばれて、俺は心臓がこそばゆくなってムズムズとし
てきた。何だか不思議な気分だ。妙な嬉しさで胸がいっぱいな気分になって
きた。
「あぁ、それでいいさ。冬月さんの言い値でいい」
 そういう話をしながら夕食を食べ終わる。俺はさっさと食器を二階に持っ
て下りて片付ける。
 その後、部屋でパソコンをいじっていたら風呂から上がった冬月さんが部
屋の扉を叩きその旨を伝える。
 女が入った後の残り湯。誰が得をするというんだと思いつつ、妙にドキド
キしてしまう。意識すると余計そうなる。なるべく意識しないようにする。
 風呂に入り終わった後も、妙にのぼせた気分だった。それは冬月さんのパ
ジャマ姿を見てしまい、頭の片隅で意識してしまったせいなのかもしれない。
 寝る時間になったので、何だか不全感を感じつつ寝た。妙にのぼせた気分
の割には寝付きは良好だった。