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森の館

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ピロリンはお茶が終わると入り口前の庭に行きました。

お茶の時間の前に無花果の木に備え付けたポストを眺めては満足げです。

「ここにポストのマークを入れて・・・で、完成だな」と呟きました。

無花果の木の隣にある大きな木を交互に眺めてはやはり無花果の木で良いことにしました。

大きな木の真ん中には遮る枝も無く、ポストは目だって良いかもしれないとピロリンは最初に目をつけていたのです。

「やはり、この木はこのままにしておこう」と隣に立っている無花果の木に決めたのでした。

何故ってピロリンは大きな木にボストを備え付ける事に違和感を覚えたからでした。

そして、無花果の木に備え付けてからも何度も大きい木と無花果の木を見比べました。

「そうだ・・・この大木は僕とポロランを見守ってくれているのだから・・・」

ピロリンは呟きました。

「このポストのことも見守ってくれるに違いない」と思ったのでした。

次にドアを眺めました。

「白い雲の看板に花の絵を描いたらきっと華やかになるに違いない。」

ピロリンはポロランのエプロンの花の刺繍を思い浮かべておりました。
作品名:森の館 作家名:天田昇