森の館
「ところでピロリン 木はたくさん拾えたようですね」
ポロランは裏庭の入り口辺りにピロリンが置いた
であろう麻の布袋の方に目をやりながら言いました。
「ああ ポロラン あれで充分だよ」
ピロリンも拾った木の枝を入れた
麻の布袋の方を振り向きました。
ピロリンはお茶を飲みながら応えました。
「後は木の枝を均等に同じ幅に伐るんだよ ポロラン」
ピロリンは午後は木の枝を伐る作業と決めておりました。
木工作業はいつもピロリンとポロランの館の前の庭で行います。
風が通る時裏庭から前の庭に流れて通り過ぎて行きました。
風の通る方向は大抵は決まっていたのでした。
風は湖にさざ波を立てピロリンとポロランを緩やかに静かに
通り抜けて行きました。