ihatov88の徒然日記
109大きな勘違い10/2
前回は失礼しました。全快とまではいきませんが、腰に巻いたチャンピオンベルトが取れました。
そんなダジャレは置いといて本題。
先日チームで
「どっか行こうで」
となったんです。仕事の時はみんな個人技で飄々と切り抜けるのに、そこから離れたら意外にみんなまとまりがある、というかみんなコダワリがないので誰かが音頭とれば大概快諾。
「で、どこ行くのん」
と聞くと部下Aが、
「竹田城行きません?ニッポンのマチュピチュですよ、竹田城」
「ほうほう、エエやないか」
――ここで解説、「ニッポンのマチュピチュ」こと竹田城は兵庫県の北部、和田山にあります。正しくは「城跡」です。
ワタクシたち神戸の人間には案外知られたところで、早朝訪ねれば雲海の上にぽっかり城だけが浮かんで見え、まさに天空の城のような景色が楽しめます。
グーグル先生やウィキペディア教授に聞けば詳細、教えてくれます。
提案者に異存なし。部下Aはワタクシがぎっくり腰になったことは気にしない様子で決まれば早い、早速休みの日に夜明け前に集合し、一台の車で和田山に向けかいます。
車両を止めて竹田城に向かって歩き出し、靄のかかった山道を抜け、そこに見えた景色は……。
いやあ、素晴らしい。まさに一面雲の海。今立っている城跡という名の船が雲海に浮かんでいるようです。富士山の上でも同じような現象が見られましたが、こんな近くで体験できるとは……。
そこで部下Bがとんでもないひとこと、
「確かに、キレイですけど、私たちは雲海に浮かぶ竹田城を見に来たんじゃ……」
――言われてみれば。竹田城を見に来たのに竹田城に行ったら見られませんよね。近くにある別の山登らんと、アカンわな。こんなにおって誰も気付かんかったんかいな……。
「じゃあ気を取り直してあっちの山、行きましょか?」
「それまでに雲、晴れてまうがな」
「ごめん……、腰が……」
おとぼけチームの次回の旅行先は決定したようです……。
作品名:ihatov88の徒然日記 作家名:八馬八朔