ihatov88の徒然日記
7 外国語を「話す」 4.21
大学での専攻が言語学でした。よく聞かれるのですが、語学を専攻すればことばが話せるかと言えば実はそうでもないんです。言語と会話は全くの別ものですから。
しかし、文献のほとんどが英語書きなのです。日本語(母語)についての資料も英語ですから、言語の研究をするには嫌がおうでも英語を「理解」できなければ話になりません。
だけどもだけど、です。
声を大にして再度申し上げます。言語の研究でその言語や英語は理解はできても会話ができるものではありません。それは、言語と会話は全くの別ものだからなんです。
こんな言い方したら身も蓋もないんですが、言語学士の端くれとして、どうしたら外国語(ここでは英語)を「読」「書」「聞」「話」のうち、「話せる」のか解説します。といっても入口だけですので、きっかけにしていただければと思います。
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学校で勉強するのは「言語」、日常で使われるのは「会話」です。言い換えますと言語は語学という立派な「学問」で、会話は「生活」です。学校は勉強するところですから、中学、高校等の英語はこれでいいと思うのです。
といいますのも他国と比較して語学としての教養のレベルは高いです。高校までみっちり英語を勉強すれば英語の新聞に書かれた内容は(大体でいいですよ)理解できると思います。母語でない言語として英語を話す人は世界中にいます。しかし、新聞など書物を読める人は実は日本人ほど多くないですし、極端な例では字が読めない人もいます。
これはなぜでしょう?くどいですがもう一度、「言語」と「会話」は別ものです。学校で勉強するのは「語学」、日常にあるのは「生活」です。つまり会話は生活のツールなので、日常で身につけるものなんです。ですから授業より、成績云々は関係なしに学校生活を英語にした方がよほど身に付くものだと私は思います。実際に取り組んでいる学校もあるようですね――。
平易な言い方で言い換えますと、ぶっちゃけた話ですが日常の会話は、
文法がグダグダでも基本単語だけで意思の疎通はできます!
あくまで最低限に、と断りますけどこれは間違いありません。
ただ、これは相手が聞く耳を持っていることが前提ですので、利害関係を及ぼすビジネスや交渉といった場面ではそうはいかないところがありますが、ニッポンの日常にこれだけ英語が溢れているのでこの単語たちだけでも案外イケます。
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そして発音、日本にやって来た外国人の日本語を聞いたことがおありと思います。例えば、
ワターシハ アメーリカカラ ヤッテキマシーター
と書くと日本人はおそらく同じ読み方をされるでしょう。これは、話者(母語は英語)が話し易いように自分でローマ字書きのルビを作って読んでいるからなのです。韓国人ならハングル書きといったようにたとえ外国語でも母語の発音を当てはめるから日本語が変に聞こえてしまうのです。
しかし、そんな外国語なまりの日本語を聞いて理解できないでしょうか?おそらく何とかわかるかと思うのです。というのも私たち(日本語の話者)は自分の頭の中にある日本語の単語と会話の状況で使われると予想される単語を繋げ合わして解釈するからなのです。
これは逆でも同じでして、日本人も最初は外国語にカタカナのルビをふります。ですから、
カタカナ英語でも喋れば意思の疎通はでき、
喋らなければ通じません!
なんか当たり前のこと言ってしまいましたね。
実際に日系一世のアメリカ人は、
「君たちの母語は英語なんだから、私の英語を理解すべきだ」
といった感じのベタベタのカタカナ英語でまくし立て現地のアメリカ人を説き伏せている光景はよく見られます。つまりは声に出すことです。発音、文法、多少の違いはお構い無しです。会話ってのはそんなものなんだなと軽い気持ちで接すればコミュニケーションは取れます、上手下手は二の次です。
もっと言えば母語が英語の人だって文法バラバラな人はいっぱいいます。会話の中で難しい単語もあまり出てきません。それでも通じてます。私たちも日頃の会話(母語)をわざわざ難しい表現で言う訳でなく、一言一句すべて聞き取っている訳ではないですよね。頭で適当に補っているから通じているのです。
会話は学問でないので、その目的が相手と意思の疎通をはかることですから、通じれば正解なんです。時間制限があるわけでなく、点数がつく訳でもありませんから恥ずかしがらずに、間違っていても言い直すなり、教えてもらうなりして補正を繰り返すことが肝要だと思います。
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前置き長かったですが外国語を「話す」ことについての結論です。
つまるところ「会話」は声に出して喋ってみて
あっ、通じた!嬉しいな!
の快感を覚えるのが上達への一番のヒケツだと思います。これって外国語に関わらず、私たちがこういうサイトで書いている文章にも似たことが言えますね。コメントくれたら嬉しいもん♪
相手もあなたを理解しようと思っている場面ではガンガンしゃべってみましょう。通じて嬉しいと思った表現は頭に残ります。相手にもっと面白可笑しく伝えたいと思えば自分で素敵な表現を学ぶでしょう。ですから学生の皆さんは会話と並行して英語の勉強もしてくださいね、「学問」と「会話」は別ものですが二つは必ずリンクしますからね。
作品名:ihatov88の徒然日記 作家名:八馬八朔