ihatov88の徒然日記
13 阪神の優勝 5.23
兵庫県出身です。社会人になってからあっちこっち引っ越しを余儀なくされましたが現在は神戸に住んでおります。独立するまでは、私の拙作『近くて遠い甲子園』(←よかったら読んでね)にも書きましたが、甲子園球場の近くに住んでいて、この舞台となった地元の公立高校を出ています。
甲子園球場は兵庫県西宮市にあります。大阪府と混同されることがあるようですが、所在は兵庫県です、お間違えなく。自転車で甲子園球場の前を通り抜けて三年間通いました。ごく一般の平凡な公立高校ですから物理的には甲子園球場に一番近い高校であるのに、甲子園に出場したことはありません。せめて21世紀枠でも出られたらなと思う次第です。そんな希望を込めて書いた作品です。思いっきり地元の高校が特別枠で出てもいいじゃない!と思います。
ちなみに、私は野球部員ではありませんでしたが――。
すいません、脱線し過ぎました。それでは本題です――。
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甲子園球場といえば皆さんご存知、阪神タイガースの本拠地です。甲子園で試合してる時は巷は大騒ぎです。拙作『~甲子園』にも書きましたけど、夜は六甲颪に乗って学校まで聞こえたものです。阪神タイガースのファンはスゴいです。毎日エライことなってます、「生」のエネルギーといいますかチームに対する情熱というか、とにかく濃いです。関西人のコテコテ感がこれでもかというくらい濃縮されています。
東京ドームで阪神巨人戦を観戦したことありますが、その雰囲気はまるで違う競技のように思えるほどです。甲子園は「祭」です。関西に来られたら一度は観戦されることをお薦めします、祭がお好きであれば。
元々「阪神」という言葉は大阪と神戸のあいだの地区のことを差します。大阪市から西へ、尼崎市、西宮市、芦屋市、そして神戸市と位置してます。西宮市はちょうどその中間です。阪神地区は阪神地区として大阪でも神戸でもない文化圏を形成しております。
私の半生を語る上でのポイント。その一つが
「阪神タイガースの優勝(日本一)」
なのです。昭和60(1985)年、小学校五年生の時でした。あの年はとにかく周辺が毎日大騒ぎ。阪神がなかったら脱け殻みたいなウチの父も、当時担任だった先生も放課後日本シリーズを教室で上映会するわで町が盛り上がったものでした。今にして思えばデーゲームで行われていた日本シリーズ、当時の関西の産業は試合中ストップしていたのではないかと思えます、当時はいろんな意味で緩かったですね……。
野球はそれほど詳しくありませんが、阪神間の子どもだったことや、当時のプロスポーツといえば野球くらい(もちろん他にもありますよ)でしたから、男の子ならみんな野球をしたものでした。それだけに注目度も大きかったのでしょう。
それからというものの、自分の過去の出来事を整理して覚えるに辺りポイントになっているのが「阪神タイガースの日本一」なんです。人と会話をしてても「阪神の優勝があった……」といったフレーズが言葉の節々に出てくるのです。知らない人には「何のこっちゃ」ってことになりますが、関西人には案外通用する話のキャッチボールのネタのようです。世代の違う仕事先の相手方にもウケます、もっとも関西人で阪神びいきの人か否かを判断しないといけませんけどね。
もう一度言います、「阪神タイガースの日本一」は昭和60(1985)年です。
これを覚えておけば自分史と阪神間での出来事をを語りやすいのです。ちょうど10年後は平成7(1995)年、ご存知でしょうが神戸で地震が起こりました。その10年後の平成17(2005)年、尼崎市でJR線の脱線事故がありました。地震と事故と阪神の優勝、この3つを使えば阪神間に住む大概の人が時系列を思い浮かべてしまうのです。
ところが、職場の部下たちは私より5歳以上年下で、阪神の日本一をリアルタイムで経験していないのです。私や年輩の同僚、上司(いずれも生粋の関西人)は口を揃えて、
「お前ら、残念な世代やなあ。かわいそうに……」
と言います。それくらい甲子園の周辺はあの頃お祭り騒ぎだったのでした。私も上司の言葉に同意。
会社でもそんな調子、家庭でも、上にも書きましたが、阪神がなかったら脱け殻みたいなウチの父がウチに遊びに来てて野球をよく知らない孫娘に対して「阪神の優勝がやな……」とウンチクを垂れるのを見かけます。それくらい、阪神間では重要なフレーズなのでしょう、「阪神の優勝」しつこいですが。
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そういえば来年は10年刻みでいくと節目の年になりますね。え?来年は何かが起こりそうですって?もちろんそうですよ!起こりますとも……、
来年はありますよ、阪神の優勝!
いや、今年でもいいよ(願望)
そう信じて今日も仕事の合間に休憩室で地元のテレビ局(もちろん兵庫県の局ですよ)、「おっ!サンテレビ」の野球中継を見ています。野球というより阪神の好きなお父さんたちが解説者気取りでああだこうだ言って試合は進みます。
家に帰って見たらどう?とおっしゃる方もいますが、ここで見てる人たちはね、家じゃチャンネル権ないんです……。
作品名:ihatov88の徒然日記 作家名:八馬八朔