ihatov88の徒然日記
16 「山の日」制定記念 5.26
国会で8月11日を国民の休日「山の日」とする法案が決まったそうです。
「『海の日』はあるのに『山の日』はないんかーい」というツッコミから始まったそうですが、とにかくおめでたいです。というのも私、登山が大好きだからです。もちろん休日も。
さて、皆さん。山といって思い付く山といえばどこですか?日本津々浦々いろんな山あります、その中でもニッポン人……いや、世界中の人が知っている山があります。そう、その名はもちろん
富士山
ですよ、富士山。知らないってことはないでしょう。
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富士山といえば平成25年、世界遺産に登録されたのは記憶に新しいところですね。日本人なら大概の方がご存知でしょうがおさらいをすると、富士山は標高3776メートル、静岡県と山梨県との間に位置し、万葉集でも山部赤人が
田子の浦に 打ち出でて見れば 白妙の
富士の高嶺に 雪は降りつつ
と詠われており、当時から信仰の対象だったようです。
そして富士山といえば日本人ならみんな知っていると思うけど「日本一の山」である。童謡『ふじの山』の歌詞、
頭を雲の上出し
四方の山を見下ろして
かみなりさまを下に聞く
富士は日本一の山
とあるように、今や世界遺産にも登録された、世界も注目する日本一の山であります。ちなみにこの歌は「ドレミファソラシド」の一音階のみで演奏できるという良くできた曲だそうです。
さらに日本人の一年生ならみんな知っているだろう『一年生になったら』という歌もあります。
一年生になったら 一年生になったら
友だち百人できるかな
百人で食べたいな 『富士山』の上で
おにぎりを
ぱっくん ぱっくん ぱっくんと
とにかく、富士山というのはニッポン人の心の中にもある山なんでしょう。それ故世界遺産になったと思います。
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筆者もかれこれ毎年一回は富士山に登頂しています。だってそれは「日本一」だから。
きっかけは数年前に高校時分の友人がいきなり富士山登頂計画を持ち込んできたことにあります。
「ええ年して何を考えつくんや……」
それまで私は富士山というのは登るものでなく見るから美しいと思っていたので、最初は断ろうと思っていたのだが、友人は高校時代にも見せたことのないマジ顔で
「ばっかもーん、男ならニッポンの頂点を極めようと思わんのかーい!」
と半ば強引に連れて行かれたのが初回の登頂に繋がったのです。
キーワードはやはり「ニッポンの頂点」であろう。日本一だから行くのですよ。
以前ある政治家が神戸にあるスーパーコンピュータ「京(けい)」の業務仕分けについて
「2番じゃダメなんでしょうか?」
と言って大顰蹙を買ったことがあったが全くその通りで、やるからには一番を目指すべきだと思います。だからこそ美しいんです。
以来富士山の雄大さにすっかりとりつかれ、一回の登頂で満足した友人をよそに毎年登っています。御来光を見たこともあったし、悪天候で死にかけたことも、当時三年生の娘を上記の語り口で強引に連れて行ったこともあるし、日帰り弾丸登山も果たし、その回数は片手を越えました。体力が持つ限り続けたいものです。
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実は日本一の富士山であるが、奇しくも一番の座から外れた時期があります。
時は西暦1895年、日清戦争の後に結ばれた下関条約で日本は清国から台湾を割譲されている。台湾には「玉山」という山があり、この山は富士山よりも高いのです。台湾には富士山よりも高い山が他にもあって、富士山は昭和20年に台湾を放棄するまでの半世紀のあいだ日本一を明け渡していたのです。
そしてこの玉山ですが、日本統治時代この山は「新高山」と呼ばれていました。
かつて日本軍が真珠湾攻撃を命令した暗号の「ニイタカヤマノボレ一二〇八」の中にも新高山の名前があるくらいなので、当時の日本人にも認知されていたわけで、富士山は「日本一」ではないことの証明になります。
とはいえ、日本一は譲ったものの「新高山」と言われたことに注目すると、これは富士山を基準とした命名の仕方になっていることがうかがえます。富士山の認知度は再び日本一に返り咲くまでも衰えてなかったのではと思います。
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世界遺産に登録された昨年、今年は「山の日」が制定され今後ますます注目される富士山。登山者が増え過ぎるのが懸念され、入山料を導入しようかと検討されています。
個人的には賛成です。年間少なからず遭難者が出ております。治山のために充てていただきたいのが山に対する感謝の気持ちです。
人が増える問題については、フルマラソンほどではありませんが、富士登山は相当な体力を要するうえ、装備も必要ですし天候にも左右され簡単に登れる訳ではないので、激増するとは思わないのは素人考えでしょうか?。
さて、今年も夏休みがあります、たぶん。今年はどうしようかな……?
作品名:ihatov88の徒然日記 作家名:八馬八朔