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森の中の棲みか

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アカタマ愛ちゃんとアカシマ憂ちゃんとアボタマ広ちゃんは目をまん丸くしながら眺めていました。

この森は深い深い森の中でした。

この深い深い森には森の居住者以外の人が入って来ることがありませんでした。

「ねえ あの愛ちゃん達いつまでここにいるのかしら?」

アカタマ愛ちゃんが言いました。

「そうね もうじき森は暗くなるのに」

アカシマ憂ちゃんも言いました。

アボタマ広ちゃんも「うんうん」と言いました。

5人は珈琲カップやお菓子の食べ残しを片付け始めました。

「大丈夫ね 帰り仕度をしているわ」

と、アカタマ愛ちゃんは言いました。

「でも、まだ大丈夫なのに」とアカシマ憂ちゃんは言いました。

5人は「さあ・・そろそろ戻りましょう」とシートを折りたたんでおりました。

「何処に戻るのかしら?」とアボタマ広ちゃんは言いました。

「まだ、大丈夫なのに まだ 居ても良いのに・・・」と

アカシマ憂ちゃんも言いました。
作品名:森の中の棲みか 作家名:天田昇