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森の中の棲みか

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きのこ達の呼び名はずーっと以前から決まっておりました。

誰がいつ付けたのか誰がいつ決めたのか誰もわかりませんでした。

当たり前のように互いに呼び合っていたのでした。

「でも、アカタマは何故名前を変えようと思ったの?」

と、アボタマはアカタマに尋ねました。

「この前ね。誰かが誰かをそお呼んでいたの、それで私もそお呼んで欲しいと思っただけよ」

とアカタマは言いました。

「そうだったのか・・・アカタマ」とアボタマは頷きました。

「いいよ!アカタマは今度から(愛)と呼ぶことにするよ」

とアボタマはアカタマに言いました。

「ありがとう アボタマ」アカタマはアボタマに嬉しそうに微笑みました。

「いいんだよ 愛 は 簡単だからすぐに覚えられるもん」

とアボタマは言いました。

「アカシマはどうするんだい?」とアボタマはアカシマに尋ねました。

アカシマは「私はこのままで良い。だって考えつかないもの・・・」

と言いました。

アボタマは「僕とアカシマがアカタマのことを愛って呼んだら他のみんなもそお呼ぶようになるよ」

「そうね。きっと・・アボタマの言うとおりだと思うわ アカタマ」

「ありがとう アボタマ アカシマ」アカタマこと愛は嬉しそうに言いました。
作品名:森の中の棲みか 作家名:天田昇