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森の中の棲みか

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例えば 赤傘の水玉模様の「アカタマ」赤帽子の水玉模様の「アボタマ」

水色傘の水玉模様の「ミカタマ」水色帽子の水玉模様の「ミボタマ」

と夫々呼び名が決まっておりました。

赤傘の縞模様は「アカシマ」赤帽子の縞模様は「アボシマ」

この呼び方はずーっと前から決まりごとになっておりました。

ある日「アカタマ」は「アカシマ」に言いました。

「ねえ アカシマ」「なあに アカタマ」

「アカシマ この呼び方を変えたいと思わない?」とアカタマは言いました。

「アカタマ 変えるって 変えてもよいの?」アカシマは聞き返しました。

「さぁ。。。どうでしょうね アカシマ」アカタマも聞き返しました。

するとそこにアボタマがやってきました。

アボタマはアカタマとアカシマに尋ねました。

「ねえ 何のお話をしているの?」

「名前を変えましょう・・って話していたのよ」

とアカタマはアボタマに応えました。

「ふうん アカタマはどんな名前が良いの?」

アボタマはアカタマに尋ねました。

「私ねえ・・・愛がいいわ」とアカタマは言いました。

アカシマは黙っておりました。

アボタマはアカシマに尋ねました。

「アカシマはどんな名前が良いの?」

アカシマは返事をしませんでした。

そしてアカシマはアボタマに尋ねました。

「アボタマはどんな名前が良いの?」

「さぁ・・・わからない」とアボタマは言いました。
作品名:森の中の棲みか 作家名:天田昇